70年頃から、日本でも外国からのロックのコンサートが頻繁に開催されるようになり、その牽引役だったのがウドー音楽事務所。まぁ、今でも外人タレント招聘元として、業界のドンになっています。
ウドーの事務所は当時は南青山5丁目にあって、青山通りのT字交差点からすぐの雑居ビルのなか。当時はネットなんて無いですし、コンサートのチケットは直接事務所に行って購入できました。
家が近かったこともあり、何度が足を運んだのですが、ディープ・パープルの1972年の日本公演は知ってはいた物の、行かなかった。お金が無かったのか、当時はまだあまり好きでもなかった・・・というより、もっと他に好きなバンドがあったからでしょうか。
なにしろ、東京12chとか、場合によっては放送開始して間もないFM東京とかで、けっこうコンサートをそのまま中継なんてことがよくあった。EL&Pなんかも、テレビで見た記憶があります。
1972年8月に大阪と東京で行われたコンサートの模様は、12月に''Live in Japan''として日本でのみ発売され、あまりのできの良さに後に''Made in Japan''とタイトルを変えて世界発売となりました。
このアルバムの大ヒットは、日本でのディープ・パープルの人気を決定づけたと言っても過言ではありません。そしてロック音楽にとっても、多くの歴史を作ることになりました。
まず''Live in Japan''というタイトル。今でこそ日本公演のライブ盤は山ほどありますが、まさにこれがその元祖。日本がロックバンドにとってセールス拠点になることを内外に示し、さらに外タレ来日ブームの火付け役になったのです。
そして、日本武道館という音楽のイベントをするにはあまりに劣悪な会場を、日本における「ロックの聖地」と呼ぶようになるきっかけにもなりました。今ではアイドルタレントでさえ、武道館公演が夢でしたというのは感慨深いものがあります。
すでに40年も前の録音にもかかわらず、リマスターされた音はなんの遜色もなく見事なまでに当時のバンドの勢いと観客の熱狂を伝えてくれます。昔も今も、ロック小僧にとってはバイブルの一つ。
あのときレコードに特典で付いていた、ステージ写真のカラーネガを写真屋さんに持って行って焼きつけてもらったときは興奮したのを思い出しました。