2013年5月9日木曜日

慶應義塾大学病院

医科大学はいろいろあるけれど、私立の医大もたくさんありますが・・・自分が知っている範囲では、公立も含めて一番学問的に日本の医学部のトップに君臨するのは慶應義塾大学だと思うんですよね。

自分の卒業した東海大学は、当時の慶應義塾大学医学部の各科のNo.2、No.3が結集して始まりました。初代の教授陣は、慶應と協力しつつもも、慶應に追いつけ追い越せみたいな気概で大学を作り上げたと聞いています。

自分が入学したのは、やっと初めて卒業生が出た直後で、まだまだ「新設校」という色合いが多く残っていて、実際に慶應に対する憧れやライバル意識を感じたものです。

整形外科に入局してからも、慶應からの出向スタッフがいて、やたらは「あっちでは・・・」みたいなことを言うので、やや不愉快な気分になったこともありました。しかし、学会活動などで他の大学の演題に対して、しばしばより大掛かりな研究成果を後から出してくる事もあって、慶應にはかなわなないと幾度となく思い知らされました。

その後、東京女子医科大学に移籍してみると、場所からして慶應の医学部・病院とはすぐ目と鼻の先。ここでもまた、慶應の巨大な手のひらに乗っかっている状況というのが見えてきました。

もちろん、大学としての独立性はあるわけですが、女子医科大学ですから卒業生は全員女性。一般の大学よりも卒業生が、大学に残る割合は少ないわけで、スタッフの大半は自分のように外から入ってくる非卒業生。

慶應からも当然、多くのスタッフが送り込まれているわけです。慶應からすると妹みたいな存在というところなのでしょうが、一部の中心スタッフの人事でも慶應の意向が入っているのには驚きました。

それが、一定のレベルを保つことに役に立っていることは間違いなく、ある意味慶應の威光を光らせる替わりに、日本の医学を向上させるための努力も内部的に相当しているのだろうと思います。

権威主義と言ってしまえばそれまでですが、それが多くの医学発展に貢献してきた事実というのも確実に存在しているわけで、今後も多くの期待をされているわけです。

・・・なんてことを思いつつ、前を通るたびに心の中で土下座をしているのでした。