長嶋さんと松井の国民栄誉賞受賞のセレモニーに付随して行われたものですが、長嶋さんが国民栄誉賞というのは遅いくらいで、誰もが何も文句のつけようがないところ。
まぁ、松井秀喜は早いような気がしますし、王貞治・長嶋茂雄と比べてどうなんだよという意見は当然出るところでしょぅが、祝い事なのでよしとしましょう。
それにしても、裏からの階段を肩を借りて一歩一歩上がっていく長嶋さんの姿には、一瞬涙がでそうでしたが、ここじゃない。少年の時、僕らをいつもわくわくさせてくれたスーパースターの現実が見えてきます。
しかし、場内アナウンスで「4番、サード、長嶋茂雄、背番号3」と場内アナウンスが流れると、いろいろな数十年間の出来事が一気に縮まって、もうそれだけでいいという気持ちになります。ユニフォームは上半身だけですし、右手は相変わらずポケットに入れたまま、左手だけでバットを持っている。
長嶋さんが打席に入って、片手でバットを構えると、さすがに涙が出てしまいました。誰もが「20世紀少年」であり、誰もが「三丁目の夕日」に住んでいた時代、すべての日本人が共有していた何か、今や忘れてしまった何かがそこにある。
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長嶋茂雄を何とか、もう一度バッターボックスに立たせたい、立っている姿を見てみたい。そんな思いが、松井とのダブル受賞という形に出たんでしょう。松井君も受賞するなら、出て行かないわけにはいかないね、というミスターの言葉が聞こえてくるようでした。