ジム・ホールさんが亡くなりました。
知らない人には、どうでもいい話ですが、白人ジャズ・ギター奏者としては最も有名な一人。すべてのジャズ・ギターでも、屈指の存在です。
1955年頃から、チコ・ハミルトンのバンドで活動し始め、60年代はサイドメンとして活躍。最も有名なものは、ビル・エバンスとのデュエットの''Undercurrent''でしょう。マイルス・デイビスの演奏で有名になっていた''My Funny Valentine''をアップテンポの新しい解釈で演奏しています。
本人名義のアルバムとして、最初にヒットしたのが、この1975年の''Concierto''です。タイトルになっているのはコンチェルト、つまり協奏曲。ここでは「アランフェス協奏曲」のことです。
当時、ややコンテンポラリー系のサウンドでうけていたCTIレコードからリリースされ、 CTIの最も売れたアルバムとして知られるようになりました。
その後は、コンスタントに自分名義のアルバムを発表し続け、存在感は最近になるまで減じる事はなく、その端正な響きはジャズ・ギターそのものとして輝き続けました。
亡くなってしまうと新しい音はもう聴く事ができませんが、これまでに残された膨大な音楽はいつまでも楽しむ事ができるのです。今後も、ふっと思い出して、至福の時を過す音楽として忘れないと思います。
合掌