2015年2月6日金曜日

熱情

熱情とは、燃え上がるような激しい感情。また、熱心な気持ち。情熱とは、ある物事に向かって気持ちが燃え立つこと。また、その気持ち。

国語辞典的には、熱情と情熱の違いがよくわからない。実際、使い方もそれほど違いはなさそうで、どちらかというと情熱が一般的でしょうか。

実際、英語だとどちらも"passion"ですが、passionというとイエス・キリストの受難の事であり、またそれを題材にした受難曲もpassionと呼ばれます。

熱情と聞くと、普通はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番の副題が思い起こされます。ベートーヴェンの三大ソナタといわれているのが、悲愴(8番)、月光(14番)、そしと熱情(23番)ですが、これはあくまで人気順。

音楽としての完成度とか、音楽史上の重要性などを考えると、32曲あるソナタから選ばれるのは、たいてい違う曲ばかりになります。

ただし、熱情はベートーヴェンの全楽曲の中でも、トップテンに入るくらいの有名曲で、ピアニストにとっては避けて通ることは不可能なもの。

原題は"Appassionata"で、イタリア語だと思うんですが、音楽の速度を作曲家が指定するために楽譜に書かれる速度記号で、特に雰囲気を規定するために用いられる発想記号の一つ。

ベートーヴェンが、自分で副題をつけたわけじゃないでしょぅから、後年誰かが呼び名の固有性をはっきりさせるために使い出したんでしょうね。

それにしても、情熱ではなく熱情としたのは誰なんでしょうかね。初めて、ベートーヴェンを日本に紹介した誰かなんでしょうか。気になるなぁ。