昔、巨人の外野手、長嶋さん引退後はサードにコンバートされ、後にヤクルトの監督もやった高田さん・・・の話ではなくて、甲高い声で電化製品のテレビショッピングの世界で一躍有名になったタカタさんの話。
今年の1月の会社の創立記念日に、自ら起業してテレビ通販大手になったジャパネットたかたの社長を辞任されたそうです。現在66歳、つい最近もテレビで精力的に商品を宣伝していました。
テレビのデジタル化とエコポイントのおかげて、テレビが爆発的に売れた後、一気に業績は落ち込み、2012年の暮れに、2013年に過去最高利益を達成できなかったら退任すると宣言していたそうです。
実際は、布団クリーナーなどの大ヒットがあり、業績は復活できたそうですが、自分にも「体力」があるうちに、次の世代へ受け渡すことを優先して、宣言通り辞任したそうです。
今後は、自らは自分が惚れ込んで売りたい商品を、いかに消費者に伝えていくかという社員教育などを中心にして、経営そのものは長男の方に任せるのだそうです。
つまり、会社という組織になると、もう個人の物ではないわけで、会社が少しずつ成長しながら長生きしていくようにすることが経営者として求められる手腕なんですね。
ジャパネットたかたという会社の、文字通り「顔」というべき社長ですから、辞するということは会社のイメージが大きく変わることになります。そうとう大きな決意を持って決めたことなんだろうと思います。
また、引き継ぐ側も、今までのイメージ継承しつつも、新しいカラーをどのように加えていくのか、難しいかじ取りを迫られます。そういう意味でも、単純な世襲よりも、けっこう大きな困難を伴うはずです。
残念ながら、ジャパネットたかたから商品を購入したことはありませんが、今回の話を聞いて、この会社の健全性、そしてタカタさんという方は、大変誠実な経営者なのだなと思ったわけです。