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2015年2月16日月曜日

トヨタ・ハイブリッド車の選び方

当初は、ホンダが従来の自社モデルに次々とハイブリッド・エンジンを搭載して、ユーザーの様々なニーズに答えようとしていました。

しかし、昨日のニュースでは、FIT3の相次ぐリコールの原因として、同一車種の中でのモデル細分化が、全体の仕事量を増やしてしまい、問題点の洗い出しが不十分になったという主旨の発言を社内重役がしています。

そして、その反省から、今後同一車種内の多数のモデルやグレードを、現行の8割程度まで削減し、一つ一つの車作りに集中できる環境にしたいということです。

一方、一人勝ちを続けるトヨタはどうかというと、以前は基本的にはハイブリッド技術を生かすために、ハイブリッド専用車である、プリウスを中心に展開し、従来からある車への応用は比較的慎重であったと思います。

しかし、気がつくと、いくつかの車種で、マイナーあるいはメジャー・チェンジのタイミングで、ハイブリッド搭載型のモデルを持つようになっています。

ハイブリッド専用車は、元祖プリウス、そしてプリウス・ワゴンといえるプリウスα、コンパクト・プリウスであるアクア、ハイブリッド・セダンのSAI、そしてハイブリッド専用車になったカムリとエスティマ、電気自動車に近いプリウスPHVの6種類。

ガソリン車モデルとの平行販売になっているのは、カローラアクシオ、カローラフィールダー、クラウン、ノア、ハリアー、新しい車種のエスクァイア、あとは2種類のトラックになっています。

本来ガソリン車として設計されている車に、より複雑なハイブリッド・システムでエンジンとモーターの両方を搭載することは、スペース的な制約が大きいという難点があります。また、車体重量や空力的な問題から、思ったほど燃費が伸びず、ハイブリッドにかる恩恵が得られ難いとも言われています。

例えば、ハリアーの場合、JC08モード燃費は、2WDガソリン車で16.0km/L、ハイブリッド車だと21.4km/Lで、おおよそ25%アップ。そもそも車が重いので、ここでハイブリッドを選択する必然性はすくないかもしれません。

クラウン・アスリートのJC08モード燃費は、だいぶ違います。2500ccガソリン車で11.4km/Lに対して、2500ccエンジン搭載のハイブリッド車は23.2km/Lで2倍を越える燃費はたいしたものです。

フィールダーも同じ1500ccのエンジンで比べると、 50%ちょっとアップというところのようです。ノアの場合は、ハイブリッド車ではエンジンを落として、なんとか50%増しくらい。エスクァイアも、排気量2000ccのガソリン車に対して、エンジンを1800ccに落として何とか50%アップ。

そうなると、燃費だけで考えると、設計段階から徹底的に燃費向上を目的としたプリウス、プリウスα、アクアは圧倒的に効率がいい。一番中途半端なのがSAIということになるんでしょうか。高級セダンに乗りたければクラウン、価格的に安いものがよければプリウスを選択するほうが賢明かもしれません。

高級感ということでは、カムリの存在意義はあり、最近タクシーに利用されることが増えてきました。もともとクラウンが多かったのですが、実用的な燃費が5km/L程度だったのが、カムリにすると15km/Lくらいまであがることは、待ち時間が多いタクシーには相当なメリットがありそうです。

電気自動車は、実用化に向けて、日産と三菱が力を入れていましたが、電気スタンドの普及の問題と、何より連続で走行できる距離の問題から、現行以上は望めそうもありません。

実用的には、軽自動車レベルで、街乗りだけに限定した使用であればいいのですが、長距離のドライブにはとても使えるとはいえません。今後は、燃料電池車の開発へシフトしていくことは、ほぼ間違いのないところです。

大手自動車メーカーが、水素ステーションの整備に一致団結して協力していくというニュースもありましたが、おそらく5年後くらいから実用的な車が登場し、10年後くらいには中心的な車種となっているのかもしれません。となると、20年後にはガソリン車は博物館でしか見られないかもしれません。