公現祭後とつくのは、これでおしまい。今日から2月、日本の、それも首都圏あたりでは、例年一番寒い時期になります。ライプツィヒは、北海道よりも北にありますから、今も昔もそりゃ凍えるようでしょう。
嵐の中、船に乗っているイエスが、風と海を叱りつけたら、なんと嵐がおさまったという話が、今日のテーマ。「信じる者は救われる」のバリエーションと言えます。
今日のカンタータは、2曲残っています。
BWV81 イエスは眠りたもう、わが望みはいずこにありや (1724)
BWV14 神もしこの時われらと共にいまさずば (1735)
BWV81は、いきなりアルトのアリアですが、とにかく長く引き伸ばして歌うところが面白い。3曲目のテノールのアリアは、荒れ狂う海を表現し、5曲目のバスのアリアはイエスが「静まれ」と海に云うところ。最後はコラールで締めという、短いながらもドラマ性がはっきりした作品。
BWV14は、1725年のコラール第2年巻を補填するもの。現存するカンタータとしては、バッハが完全書下ろしの新作としては最後のものと考えられています。
冒頭合唱からして、ルターのコラールですが、あまりに複雑な構成に驚嘆します。続く協奏曲風のソプラノ・アリアも明るい曲調が楽しい。さすがに1735年の作品だけあって、円熟の技巧が散りばめられているというところでしょうか。
ガーディナー先生の盤では、この2曲だけでは30分程度ですから、三位一体節後第24主日用のBWV26とモテットBWV227が併録されています。