聴診器というのは、医者という職業を表す小道具としてはわかりやすい。だいたい、これさえ持っていれば、すぐに医者だろうと思ってもらえます。
聴診というのは、読んで字の如しで、音を聴いて診断すること。聴診器は、音を聞きやすくする道具としてとても便利です。
胸にあてれば、呼吸の時の空気の出入りの音、心臓の動く音、お腹にあてれば腸が動く音などを聞くのが主な用途。ですから、内科の医者が主に使うわけで、整形外科の自分は・・・
実は、学生のときに実習用に聴診器を買いましたが、整形外科医になってからはほぼ触れた事が無い道具でした。ところが、リウマチという病気を勉強していくと、呼吸の音が大変重要で、いつのまにかいつも持ち歩くようになりました。
何しろ、肺の合併症が重要ですから、患者さんと話をしていて、変な咳をしたりしていると、すぐに呼吸の音を確認したくなります。時にはレントゲンを確認したり、CT検査を依頼して詳しく調べます。
今まで、いろいろな病院や診療所で診察をしたことがありますが、聴診器を常備している整形外科外来というのは、ちょっと記憶に無い。今は、自分のクリニックで、すぐ手に取れる位置に聴診器がいつでもあります。