まだ夏なのに、と思うかもしれませんが、インフルエンザの予防接種に対するワクチンの準備は、とっくに始まっています。
インフルエンザは、ウイルスによる感染症で、風邪様の症状以外に高熱が5日くらい続き、かかるとけっこう大変。中には脳炎などの合併症により、亡くなる方も毎年少なからずいます。
抗ウイルス薬が普及して安心している方が多いのですが、薬を飲んで軽くすませても、仕事や学校を休む必要があるのにはかわらない。予防接種の有効性は確認されていて、基本的には推奨されているわけです。
毎年、12月に入ると流行が始まりましたみたいなニュースを耳にすることが多く、その頃に予防接種を受ける方が多いようですが、はっきり言って…遅い!!
接種してから数週間経たないと予防接種の効果が出てこないので、予防効果を最大限引き出すには、11月前半までの接種がお勧めです。
自費診療になるので、値段は各医療機関が個別に決めていますが、全国的には2000円から5000円くらい。平均的には3000円くらいではないでしょうか。
さて、今年のワクチンは今までと変わり、3価から4価になりました。今まではA型ウイルスに対する2種類とB型ウィルスに対する1種類が混合されたワクチンでしたが、今年からB型も2種類を含まれるものになります。
B型ウイルスに対する予防効果にやや弱みがあることは以前から指摘されていたので、アメリカなどでは数年前から4価ワクチンが使われるようになって、有効性も証明されていました。
日本は、薬に含まれるたんぱく質成分の制限がきめられていたため、これまで4価ワクチンを作れなかったそうです。しかし、ついに厚労省のOKが出て、今回の分から使用されることになりました。
ただ、ちょっと問題になるのは、予防接種の値段。4価ワクチンになることで、ワクチンの価格が1.5倍に増えることになっています。となると、2000円台で予防接種を行うと赤字になってしまう可能性がでてきます。
そうなると、医療機関も500円から1000円程度の値上げをせざるをえない状況でしょうから、安いところ(医療機関の利益を抑えている)でも、最低3000円程度になってしまう可能性が高いといえます。
まぁ、それでも発症して、医療機関を受診して、検査を受け薬をもらい、1週間近く社会活動を控える損失を考えると、予防接種を受けたほうが安く済むということになりますけど。