今どきジョナサンというと、生き残ったファミレスかと思うかもしれませんが、自分たちの世代で初めてジョナサンと巡り合った時、彼はカモメでした。
アメリカ人のリチャード・バックが1970年に発表して、大ヒットした小説が、"Jonathan Livingston Seagull"で、映画化もされました。主題歌はニール・ダイアモンドでした。
日本では、映画公開に合わせて、1974年に五木寛之の邦訳で新潮社から出版され爆発的に売れたわけで、自分も当時比較的薄っぺらい写真の多い単行本を買っていました。
主人公はカモメ。ひたすら飛ぶことの能力を高めようとする一羽のカモメの喜び、悲しみを綴っているわけですが、何か人に置き換えて突き動かすところがあってか社会現象にもなったと思います。
実は驚いたのは、2年前に作者自ら最終章を加えた完全版というものが出ていたんです。もともと最初の出版のときにあったということですが、何らかの理由で封印していたものらしい。
高校生の時はかっこつけて読んでいただけで、ファッションの一つにすぎなかったと思います。それほど内容を理解できていたことはないと思いますが、あれから40数年たって、おじさんになった今、もう一度読んだらどう思うのでしょうか。
当時世に出ていなかった最終章も含めて、読み直してみたい気持ちになりました。