全国津々浦々、時には一般の民家の庭先にまで、多種多様に広がったのが稲荷信仰。
伊勢屋、稲荷に、犬の糞・・・江戸の町でやたらと見かけるありふれたものを、こんな風に言っていました。まさか、犬の糞と一緒にししゃ罰が当たるというものですが。
もとを正せば、伏見稲荷から発祥し広まったもので、こちらがその先駆けのお狐様ということになるんでしょうか。
伏見さんは、真っ赤な鳥居が延々と続く光景などが有名です。腰をかがめながら、和製タイムトンネルのような空間を通り抜けると、ちょっと自分が変わったような・・・ことにはなりませんが、とりあえず楽しい。
何にしても、昔はそこらじゅうの田畑に狐が出没していたんでしょうね。稲を荷うということは、五穀豊穣を願うことで、どこかで狐と結びついたんでしょうけど、神学的な難しい話はよくわからない。
いずれにしても、シャープな狐だからよかったけど、丸みのある狸では信仰の対象としてはきりっとしなかったでしょうね。