もう過ぎてしまいましたが、雛祭りで彩鮮やかな人形を飾ったりします。その時、7段飾りのようなたくさん並べるものがある場合は、人形以外にも小物をたくさん置いたりする。
その中に、右近の橘、左近の桜と呼ぶものがあり、向かって右に桜、そして左に橘を飾るんだそうです。呼び名と飾る位置が違うのは、もともと京都御所の紫宸殿(ししんでん)の前の庭にあったものをモデルとしているから。
天皇の警備をする近衛兵が、左右それぞれの木の近くに配備されていたため、こういう名前が定着したといわれています。
こちらは、京都御所ではなくて仁和寺です。9世紀に時の天皇により建立された古いお寺さんです。真言宗御室派総本山とされますが、こちらにも対に植えられた橘と桜があります。
平安神宮にもあったりして、天皇にゆかりのあるところには象徴的に用意されたのでしょう。