2018年3月29日木曜日

安心バックアップ


パソコンは消耗品です。

長年使っていると、嫌というほど思い知らされます。ほとんどの場合、記憶装置のハードディスクの物理的損傷が原因で起動しなくなる。でも、心臓部のCPUが吹っ飛んだという経験もあります。

データはあくまでも電気信号であって、いろいろなトラブルであっと言う間に消えてしまいますし、もしもウィルス感染が起これば、全てを消去してシステムから入れ直しということもあります。

とにかく何かの時の復旧対策は必須です。

Windows10になって、OSシステムの総入れ替えはかなり簡単。あとは、自分が使用する環境に戻すためソフトウェアを整理しておくことが大事。

今どきは、インターネット・ブラウザには設定などのクラウド・バックアップ機能がありますから、新たにインストールしてログインして同期すれば、すぐに使用環境は復元できます。

メールは、ある程度手動のバックアップが必要。変わったメーラーでなければ、だいたいフリーのバックアップ・ソフトがネット上に見つかるので、毎日とは言わないまでも週に一度くらいはバックアップを作っておくほうがよいです。

それが面倒なら、Gmail、Outlookのようなフリー・アカウントだけ使えば、ログインし直すだけでいいのですが、仕事に使うにはフリーだけだとちょっと寂しい。

Windows10のユーザー・データは、デフォルトでシステム内各フォルダーに保存されます。OSの入っているHDDと同じドライブなので、システム・ダウンした時は、一緒に消えてしまう可能性があります。

まず、普段使いとしてお勧めなのが、ユーザーファイルのフォルダーの移動。内臓でも、外付けでもいいので、物理的に別のドライブを用意して、そちらにフォルダーを移すこと。各フォルダーの右クリック→プロパティから「場所」を指定できます。

OneDrive、Dropboxのようなクラウドを利用している場合も、保存する場所はOSとは別のHDDを指定できるので、必ず変更しておく方が良い。

その上で、データ専用のHDDの中身を、丸ごと別のHDDにコピーしておけば、何かの時はそっくり差し替えるだけで元通りにできます。そういう意味では、外付けHDDを利用する方が楽。

イントラネット内で複数のパソコンからデータを利用している場合は、使っているパソコンとは別の独立したシステムにデータをバックアップしておくことが重要。会社とかでは、一定のタイミングで別のPCにデータをバックアップします。

一番推奨されるのは、NASです。ネットワーク上に、データの出し入れだけの操作を目的としてCPUとHDDをを搭載したもの。特に、複数のHDDを搭載させて、ハード的にリアルタイムにデータを同期させるRAIDシステムが構築できれば最強です。

パソコン黎明期は、ほとんど文字データだけで、大事なデータと言っても数MB程度ですんでいましたが、画像を使うようになり、音声を使うようになり、そして動画を使うようになって、どんどん肥大化してきました。

今では、一個人でも数TBの領域が保存用に必要になっています。SSDがだいぶ普及してきましたが、今のところ実用的には1TBが最大で、しかもかなり高価。残念ながら、いつか急に壊れることを前提にHDDを使うしかありません。

今回用意したのがSynologyのDiskStationというもの。数TBのHDDは数万円で手に入りますから、最低2台のHDDによるRAIDシステムをNASに組んで5万円程度。

自分でHDDを設置する手間はありますが、大変簡単な作業ですから、最初から出来上がっているものを購入するよりはるかに割安です。

しかも、いろいろな利用方法が簡単に設定できる。一番嬉しいのは、Dropboxのような自分専用のクラウドを用意できること。当然、容量は用意したHDD内で自由なので、フリーのクラウドの容量制限を気にする必要がありません。Androidやios様のクライアントも用意されています。

さしあたって、このくらいまで環境を作っておけば、今使っているパソコンがダウンしても、最短での復旧・復帰が可能だと思います。せっかく撮りためた思い出の詰まった写真が消えないためにも、現状で最強のバックアップ・システムだろうと思います。