もともと秋田民謡で、全国的に唱歌として有名な四季を通じた「どじょっこ ふなっこ」という歌があります。夏以降は知らなくても、出だしの春のところは、たいてい聞いたことがあると思います。
♪ 春になれば 氷(しが)こも解(と)けて
どじょっこだの ふなっこだの
夜が明けたと思うベナ
冬の間、多くの生き物が土の中、氷の下で、温かくなってくるのをじっと待っています。
気温が上がってきて、何かの信号をキャッチした生き物は、目が覚めて動き出す。そんな情景が、まさに「啓蟄(けいちつ)」です。
温かくなって、新しい何かが始まる予感・・・希望にあふれる季節・・・だったり、何かと明るいイメージばかりで、嫌な気持ちになることはありません。
この時期、いろいろな卒業シーズンですが、「卒業」で終わるのではなく、必ず次に来る新しいことを始めるための最初の準備、つまり人生の啓蟄みたいなもの。
虫が蠢き出す・・・と書くと、何か気持ち悪く思うかもしれませんが、啓蟄は春を象徴するとても良い言葉だと思います。