2019年5月23日木曜日

手作りバゲットABC 4 捏ね


道具も材料も揃ったら、早速バゲット作りを開始。当然、最初は決まったレシピ通りにやってみます。教科書は「家庭のオーブンで作るバゲット(ムラヨシマサユキ著)」です。

材料
小麦粉 エペ(中力粉) 200g (100%)
水 144g (72%)
インスタントドライイースト 0.5g (0.25%)
モルトエキス 1g (0.5%)
塩 3.6g (1.8%)

厳密には温度管理もしっかりしないとダメなんですが、5月という季節柄、まぁ標準的な気温・湿度であると仮定して、気にしないことにしちゃいます。

ボールに入れた水にモルトを溶かします。モルトは粘りが強く硬いので、しっかりかき混ぜて溶かします。溶けたら、続いてイーストを投入。インスタントドライイーストは顆粒状なので、さっとかき混ぜるとすぐにふやけて溶け込みます。

ここに小麦粉を投入するのですが、ここで指定されているのは中力粉のエペ。通常、パンに使用する強力粉に比べてグルテン量がかなり少ないタイプ。

フランスパンらしい、中身に穴がボコボコと開いた、つまり気泡がたくさん大きくできる状態に仕上げることが目標。イーストが発酵で放出する炭酸ガスがグルテン膜の風船を膨らませ、はじけて隣接する気泡と合わさることで大きな気泡になります。

そのため、グルテンがしっかりし過ぎると風船がはじけなくなってしまうので、よりグルテン量が少ないタイプの小麦粉を使います。また、風船がはじけやすいように水も多めで、ベーカーズパーセントで72%は、こねてみるとかなり生地がやわらかく扱いに注意が必要です。

混ぜ方はヘラでざっと切るようにして、全体が一塊になる程度(上の写真)。実際のところ、こねるというほどの作業ではありません。こねとグルテンがどんどん生成され伸びの良いきじになり、気泡の風船が破裂しにくくなります。

ここまでの作業は4~5分程度。ここで、最初の30分間の休憩に入ります・・・って、実は手をかけずに放置することがパン作りでは重要。この最初の休憩はオートリーズと呼び、無理に力をかけずに小麦粉に水が浸透していくための大事な時間です。


ボールにラップをかけて乾燥を防いで30分間、オートリーズした後は、粗さが目立った生地の塊が、しっとりして丸みがでています。

ここで塩を振り入れます。塩はイーストの働きを抑制するため、このようにタイミングをずらして投入するのですが、あまり気にしなくても良いと言う意見もあるようです。

塩を混ぜ込むため、ここから半分くらいの生地を引っ張り折りたたむように元に戻すというこね方を60~80回程度行います。手に打ち粉をつけて、指先を中心に引っ張るのが良さそう。手のひらはべたついた生地がつきやすいので注意。

ここで2度目の30分間の休憩。この休憩は、ベンチタイムと呼びます。パン作りではたびたびベンチタイムが登場しますが、これもかなり重要。引っ張ったり、叩いたりといじられた生地は、ベンチタイムで緩んで伸びやすくなるのです。

ベンチタイムが終了したら、生地を捏ね台に取り出します。軽く伸ばして正方形状にしたら上下から1/3ずつたたみ、さらに左右から1/3ずつたたみ、そのままターパーなどの容器に入れます。

そして3度目の休憩となりますが、これは予備発酵と呼ばれ60分間です。ただし、気温が高い時は生地温度も高くなっているので30分程度で終了しても良いようです。

さて、いよいよ本格的な発酵作業にかかりますが、その話は次回。