2019年5月5日日曜日

口コミとのギャップが大きすぎる蕎麦屋


初めて行く店で食事をする場合、今どきはネットの口コミサイトを参照することは当たり前。「近くの蕎麦屋」とかスマホに向かって問いかけると、必ず口コミをいくつか目にするものです。

口コミは個人の感想であり、主観的な物。誰でもそう感じるかどうかはわからないのですが、それがいくつも重なってくれば、信用の度合いが強くなってくるはず。

今回は、そうやって見つけた比較的近場のこだわりの手打ち蕎麦の名店・・・のはずの店に行ってみたわけですが、あまりにも口コミとのギャップが大きすぎて困ったという話。

例えば、「綺麗なライトブラウンの中に蕎麦の実の粒が見える。大変にコシが強く喉越しが良くて風味が良い」とか、「細目で、星が多く、田舎蕎麦風。腰が強く、モッチリとした噛み応え。出汁も良く出ていて、返しの旨みも良い。十割蕎麦ながら、長さも十分」というコメントが並ぶ。

なかには、「××で、ナンバーワンのお蕎麦屋さんです」と絶賛している人もいますし、これはもう蕎麦好きとしては行かないわけにはいきません。

店に入ってすぐ、今日の蕎麦がどこの産かが掲示されていて、製粉のための石臼に目がいきます。店内の作りとともに、こだわりがある店だと思わせてくれます。

食べたのは十割蕎麦の天せいろ。十割はつなぎが無く、ぼそぼそとした感じになりやすい。ちぎれやすいので、その分太くなって、いわゆる田舎蕎麦という外観です。

しかし、蕎麦の香りが立つ感じが強くなり、歯ごたえがある食感が楽しみの一つ・・・のはずなんですが、いくら何でもちぎれすぎだろうと。一本一本が数センチくらいで、長くても10センチ。

十割に細さと喉越しの良さは求めませんが、太いんだからもう少し何とかならんのかという気持ちになる。

それでも蕎麦の香りがすれば・・・う~ん、ほとんどしない。茹で加減はコシもあまりなく、結局のところ箸でざっとすくいにくい何かの麺を食べているだけという感じなんです。

そばつゆは、これまただめだぁ。出汁の味がほとんどしません。水で薄めた醤油汁という感じ。ちなみに天つゆなら・・・と思ったんですが、こっちも同じ。天ぷらも、ビジュアル的にはインパクトがありませんし。

これはもう、さっさと食べて店を出るしかない。店主の体調がよほど悪く、たまたま仕入れた蕎麦の実の質もよくなかったんだろう・・・と考えるしかありません。

やはり、口コミは口コミであって、今回の自分の感想もその一つ。たくさん口コミが集まっていても、食べ物については自分の舌で感じるしかないということですね。