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2019年5月25日土曜日
手作りバゲットABC 6 焼成
二次発酵が終了すると、いよいよ最終工程の焼成です。
プロのパン屋さんなら、当然、専用のオーブンだったり、窯を使うわけですが、家庭にあるのはそんな立派なものではありません。
色々な制約があるのはしょうがない。まず、大きさ。普通、どんな大きくても30センチ程度の長さまでしか入りません。焼く時に膨らむので、注意が必要です。そして最大の難関は温度管理。
しっかりとした気泡ができるためには、一気に高温にもっていことが大事。ところが、トリセツを見てみると、予熱時には天板は出してくださいと書いてあることが多い。予熱が終わって、天板に乗せた生地を投入しても、天板が冷えているため、特に下部の温度が上がるまでに時間がかかってしまいます。
そこで、あえて予熱の時から天板は入れたままにしておくのがポイント。予熱には10分近くかかりますので、二次発酵終了の時間を考えながらスタートします。二次発酵した生地は、ひと回り膨らんでいますので、そっと成形で閉じたところを下になるように、転がしてオーブンペーパーに移します。
この時、後で熱くなった天板にオーブンペーパーごと滑らせるように乗せるために、下に薄くて熱に強い板を入れておくようにします。
ここで、バゲットにとって大事な最終手作業、クープを入れるという難事業があります。クープは、生地の表面に入れた切り込みのこと。クープを入れることで、焼く時に生地が膨らみやすくなり、気泡の生成にも大いに影響します。
そして、クープが焼き上がりの装飾にもなるので、手作りパンを作る人は「クープが見事に開く」ことに大変こだわっている。家庭で作るバゲットは20~25cm程度ですので、通常10cm程度の長さの切り込みを3本いれることになります。
クープは数cmずつ重複するように、少し斜めに、そして1cm弱の深さにします。クープナイフはカミソリタイプが使い勝手が良さそうですが、自分の場合はカッターナイフを利用しています。生地が柔らかいので、とにかく良く切れることが重要。
切り込んだら数十秒待つと、自然に少し開いてくるので、このタイミングで予熱が終了するのがベスト。予熱終了の合図とともに、霧吹きで全体が湿る程度に水をかけて、熱くなった天板にオーブンペーパーごとうつします。
後は250度で30分間焼くだけ。最初の数分間でみるみる膨らんでくるのがわかります。気泡がうまくできるかどうかは、ここで勝負はついているんですよね。
急激に熱せられたイーストが一気に炭酸ガスを放出して、グルテン膜の風船が膨らむのですが、中力粉を使ったこねすぎない生地はグルテンが破裂しやすく、周囲の気泡と合体してより大きな気泡に成長するというわけです。
実は、上の2枚の写真は、もともとの水分量を減らして65%にしたもの。テキストに指定されていたのは72%で、これだと生地が柔らかすぎて、初心者には扱いが難しすぎると感じました。水分が多い方が、膨らみやすく気泡もできやすいのですが、ちょっと硬い生地の方が取り回しは楽なんです。
テキスト通りの72%で作ったのはこんな感じ。
形が作り切れていない。生地の自重でつぶれて平たくなってしまいました。クープもうまく引けません。
それを焼くとこんな感じ。
焼くと膨らむので、平べったくよれよれの形のままです。それでも、切り開いて断面を確認するとこんな感じ。
まぁまぁの気泡の出来具合でした。ただ、下からの熱が少ないせいか、下半分の気泡は小さいです。そこらを気にしなければ、味はまったく問題なし。
自己採点では、上の場合は、テキスト通りには作っていませんが、見た目の焼き上がりは70点(甘いか?)。下の場合は30点くらいですが、断面の気泡の出来具合を加味して50点というところ。
まだまだ、まったくダメですが、なんとかなりそうな道筋は見えて来たように思います。あと、20本くらい焼けば商売にできる・・・わけはないですけど。