自粛が続き「STAY HOME」は、多くの人に運動不足を引き起こしており、実際にクリニックで見る患者さんも、年齢に関係なく体力低下が関係している症状が増えました。
しかし、実効再生産数は緊急事態宣言解除後、0点台を維持できていません。1前後という数字が続いている意味は、あらたな感染者の発生が一定数あり、拡大はしていませんが縮小もしていないということ。
つまり、感染症対策を緩めることはできないということであり、社会活動をしつつウイルスと付き合っていくしかないという状況が当分続くわけです。
しかし、世界全体を見ると、医療崩壊を起こしたいくつかの国で第1波のピークを過ぎたとはいえ、新たな患者発生の増加傾向には歯止めがかかっていません。
5月半ばまでは、世界の毎日の新たな発生数は10万人以下でしたが、5月後半は以上が続き、最近は絶えず15万人を超えています。
WHOが「パンデミックは加速している」というコメントは間違っていないわけで、社会活動再建の最終目標の一つが、世界中の自由な往来ということであることを考えると、元の世界に戻ることは当分難しいと言わざるをえない。
実際、4月~5月に新感染者ゼロを誇っていた中国でも再び感染が再燃しつつある状況で、新たな引き締めが始まっています。
日本も、近年は特に観光業はインバウンド(外国からの訪問者)に頼る割合が増加していましたので、国内需要だけでは成立しない構造になっています。日本を含めそれぞれの国が、往来をオープンにすると、パンデミックのさらなる爆発的拡大は容易に想像できる状況です。