そんなこともあって、あまり重きを置かない映画の一つというのが自分の中での位置づけだったんですが・・・あらためて見ると、けっこう暴力的なハードなシーンが多く、ハリウッド映画としての娯楽映画としては、けっこう異色の作品だったのかなと思いました。
監督はオランダ出身で、一定の評価を受けているポール・バーホーベン。基本的にはB級であることにはかわりはないのですが、低予算ながらけっこうなヒットを飛ばしました。
近未来のデトロイトは、一企業であるオムニ社が牛耳る街になっていて、警察もオムニ社が経営する民間の会社になっていました。犯罪が多発し、警察官の殉職も後を絶ちません。アレックス・マーフィ巡査(ピーター・ウェラー)は、デトロイトに転勤してきて女性警察官アン・ルイス(ナンシー・アレン)と組むことになりますが、着任早々、ギャングのクラレンス・ボディッカー(カートウッド・スミス)の一味により無数の銃弾を浴びて死亡します。
オムニ社では、治安を改善するため重役ジョーンズが立ち上げた警察ロボットED209を披露しますが、会長オールドマン(ダン・オハーリー)の目の前で制御不能の失態を犯します。そこでED209に代わって、社員のモートンは、完全なロボットではなくサイボーグであるロボコップを推進するのです。
ロボコップには、死んだばかりのマーフィーの中枢神経系などの生体の一部が用いられ、署に配属されたロボコップは瞬く間に目覚ましい活躍で犯罪者を捕らえていくのでした。ルイスもちょっとした動きから、マーフィーではないかと疑います。
脳に残っていたマーフィとしての記憶が蘇ってきたロボコップは、クラレンス一味を追い始めます。実はクラレンスの黒幕はジョーンズで、自分をコケにしたモートンを殺害させ、強力な武器を渡しロボコップも抹殺させようとします。
ロボコップは黒幕ジョーンズの証拠をつかみオムニ社に乗り込みますが、オムニ社役員には手を出せないという制御プログラムのため、逆にED209に追い詰められます。ルイスの助けで何とか脱出してクラレンスを倒し、再度オムニ社役員会議に乗り込んだロボコップは、ジョーンズの犯罪証拠を開示。会長がジョーンズを罷免したことで、銃口を向けるのでした。
ロボコップはメタル調のヘルメットとスーツで、顔の口の周りだけが見えています。動くのはかなり大変だったようで、実際重量もかなりあったらしい。そのせいか、逆にぎこちない動きがロボットぽくて味があります。起動時には「commad.com」を読み込んだことが示されるので、何と昔懐かしい「MS-DOS」で制御されているらしいというが驚きです。
相棒の名前が「アン・ルイス」というのは、日本人的にはけっこううける。演じるナンシー・アレンは脇役が多かったのですが、当時は出演者の中で一番知られていたかもしれません。
一度死んだ人間が機械化され復活するという設定は、まさにサイバーパンクであり、この映画はその元祖と言えそうです。「攻殻機動隊」なら、まさに義体と呼ぶべきもの。ターミネーターは完全ロボットですから、ファジーな判断力を要求される場面ではロボコップが勝つかも?しれません。
まぁ、SFアクション映画としては、当時としては新しい発想による、大きな破綻もなく楽しめる作品といえそうです。