さすがに続編は作らないだろうと思ったら、何と、20年ぶりにロボコップが復活。確かに続編じゃない。21世紀にになって流行りのリブートというやつで、新たな設定で第一作を作り直してしまいました。
オムニ社のトップ、セラーズは中東で成功している保安ロボットを、国内でも売り込みたいのですが、感情を持たないロボットの導入は根強い反対がありました。デトロイト市警のアレックス・マーフィ巡査は、ギャングのバロンを追っていて相棒のジャック・ルイス(黒人男性)が重体になり、自身も爆弾によりほぼ即死に近い状態になる。
セラーズはサイボーグ研究の権威、ノートン博士の協力の元、マーフィの妻の承諾を得て彼をサイボーグとして蘇らせるのでした。目を覚ましたアレックスは、頭部と右手を除いてロボット化していて、自分の状態を理解できずに混乱します。次第に慣れてきたアレックスは、戦闘テストをクリアしました。
しかし、過去の記憶により興奮状態になりコントロールができなくなることがわかり、ノートンはマーフィの感情を消失させる処置を行います。ロボコップとして警察前のお披露目では、妻とこどもに対しても無感情で、いきなり群衆の中にいた凶悪犯を逮捕して見せ、以後次から次へと犯罪を摘発し活躍し始めました。
しかし、次第に再び自ら感情のコントロールを取り戻したマーフィはバロン一味を壊滅し、警察内のバロンと組んでいた本部長らも逮捕します。しかし、マーフィの暴走を恐れたセラーズは、強制的にマーフィをシャットダウンし、マーフィを破棄して家族にもマーフィは死んだと説明します。ギリギリでノートンに再起動されたマーフィは、オムニ社に向かい自分の妻子を人質に逃亡しようとしていたセラーズに銃口を向けるのでした。
というわけで、オリジナルとおおきく違う点は、マーフィが過去の記憶のデータに苦しむサイボーグ様のからロボットから最初から記憶が残っているロボット様のサイボーグに変更されたということでしょうか。それだけ、人間としての辛さ悲しさが前面に出てくる設定です。
マーフィは死んだヒーローではなく、死にそうになったけど復活したヒーローです。ですから、セラーズは、宣伝材料として最高のヒーローは死んでなると言って破壊を指示することになります。
家族とのかかわりも、サイボーグになることを妻は最初から承知して同意しますし、一度家に帰って、変わり果てた姿を家族に見せます。ですから、マーフィとかつて呼ばれたロボコップではなく、この映画の主人公は最初から最後までアレックス・マーフィという人間という感じです。
ロボコップ・スーツは相当改良されたとみえ、走ったりもできるし、けっこうなアクションもこなせるのも、ロボットらしさを希薄にしています。特殊撮影は、さすがにCGてんこ盛りになって、これまでの安っぽさは無くなりました。
これが第一作だったら、そこそこのSFアクション映画という感じなんですが、過去のシリーズを知っていると「何だかなぁ・・・」感はぬぐえないというところでしょうか。旧シリーズを好きな人は見ない方が良さそうですし、こっちを先に見た人は旧シリーズは無視した方が良さそうです。