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2021年9月27日月曜日

バーバレラ (1968)

コメディ系のSF映画と言えば、単にSF映画というくくりだけでも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は間違いなく最高峰に位置する作品だろうと思います。これはタイム・スリップ物ですから、違う時代との文化・常識のずれを笑いに変え、また時間旅行によるスリルもうまく盛り込まれていました。

宇宙物だと、笑わせる材料がどうしてもマンガ的になってしまうので、やりすぎはかえって笑うに笑えない事態に陥る危険がある。「バーバレラ」は先駆的なちょっとHなSFコメディで、原作はフランスのコミックなのでマンガ的なのは当然と言えば当然。

フランス人のロジェ・ヴァディムが監督し、当時実際に奥さんだったジェーン・フォンダが主人公バーバレラを演じました。ステレオタイプな宇宙セットで繰り広げるドタバタ劇で、特殊撮影はわずかで、それも当時としてもたいしたことはしていません。制作は映画界のドン、ディノ・デ・ラウレンティスです。

まぁ、エロいのはほとんど冒頭のタイトルバックでの宇宙服を脱いでいくジェーン・フォンダのストリップ・シーンくらいです。当時31歳のジェーン・フォンダは、1965年にヴァディムと結婚していますが、父親が名優ヘンリー・フォンダということを除けば、まだ女優としてはそれほど実績は無い頃。それにしてもこのシーンのバックに、スーラの名画「グランド・ジャット島の日曜日の午後」があるのが嬉しいところ。

強力な武器となる陽子線放射装置と共に、北極星付近で行方が分からなくなったデュラン・デュラン博士の捜査を地球連邦政府大統領から命令されたバーバレラ。早速、磁気嵐で不時着し、天使のような大きな羽を背中に持つ盲目のパイガーと出会います。

一緒に出発した二人は黒の女王に捕まりますが、女王はデュラン・デュランに操られていました。しかし、デュラン・デュランは陽子線放射装置の暴走により滅びます。バーバレラと黒の女王は、パイガーに抱かれて脱出することができました。めでたし、めでたし。

少しエロっぽい衣装と、サイケデリック調の色彩と音楽で、いかにも60年代の世相を反映しているようなチープな映画。80年代に人気だったイギリスのロック・バンド、デュラン・デュランの名前の由来はこの映画です。必見とは言いませんが、SF好きは一度くらい見ておいて損はないかもしれません。