一作目が思いがけなくヒットすれば、二匹目のどじょうを狙うのは映画界の常套手段ですが、残念ながら前作を超えられる続編はめったに無いというのもありふれた話。
ロボコップも当然のように続編の制作に取り掛かるわけですが、もともとB級SFアクションですから、続編に期待されるハードルはそれほど高いわけではないのですが・・・
監督は「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」で一躍有名になったアーヴィン・カーシュナー。主要登場人物である、ピーター・ウェラー、ナンシー・アレン、ダン・オハーリーなどは前作に引き続き続投しています。
近未来のデトロイト市では、ケインの組織がヌークと呼ばれる麻薬を広めており深刻さを増していました。一方、デトロイト市はオムニ社に莫大な借金をしており、オムニ社会長オールドマンは契約通り金を返せないなら市全体を明け渡すよう市長に詰め寄ります。さらにオムニ社は、ロボコップよりもっと強力なロボコップ2の製作にとりかかり、会長にうまく取り入ったジュリエット・ファックス博士(ベリンダ・バウアー)に任せます。
ケインらに捕まったロボコップは、見せしめにバラバラにされてしまいます。オムニ社は修理はしたものの、ファックスが非攻撃的なプログラムに入れ替えてしまう。自己矛盾に気がついたロボコップは、自ら高圧電線に触れプログラムを消去しました。そして、ロボコップはケインを追い詰め逮捕しますが、ケインは重傷を負います。
ファックスは、ケインの凶暴性と生への執着がロボコップへの適性があると考え、ケインの生命維持装置を切り死亡させサイボーグ化させるのです。ケイン一味の残党は、自分たちの安全の引き換えに借金を肩代わりすると言って市長に接触しますが、借金が無くなっては困るオールドマンは、ロボコップ2を使って彼らを抹殺するのでした。
デトロイト市を再開発するデルタ・シティ構想の発表会の席上で、オールドマンはロボコップ2を披露しますが、もともと麻薬中毒のケインの中枢神経は薬切れで暴走してしまうのです。ロボコップは、何とかロボコップ2を倒しますが。オールドマンはファックスの独断専行ということにしてしまいます。「逃げる気よ」というルイスに、ロボコップは「我慢しろ、我々はしょせん人間だ」と言うのでした。
始まりでロボコップのかつての家族への思いを描いていますが、人間のマーフィーは死んでロボコップは別物であると気持ちを切り替えた後は、犯罪摘発マシーンとして活躍します。サイボーグとして復活したヒーローの心の葛藤というテーマは、さらりと流された感じ。
ロボコップのスーツは、かなり改良され一作目よりはだいぶ動きやすくなったらしい。また色調もより精錬された青味がっかった色に変更されています。ロボコップとロボコップ2の格闘シーンは、ストップ・モーション・アニメで描かれており、それなりに楽しめますが人形臭さがわかりやすい。
10代前半と思われる少年がケイン一味のNo.2で、かなり頭の切れる悪賢いこどもとして登場するんですが、それがこどもである必然は無いし、彼の背景についてはまったく触れられていません。また、少年野球チームが店の強盗を働いたりと、今の目で見ると当然倫理的に問題となるところが少なくありません。
前作もそうですが、悪者は見るからに悪党と、企業利益のためには何でもするオムニ社の二つの集団があり、描き方が半々になってしまうため、悪役の憎むべきポイントの描き方が中途半端な感じです。やっぱり、続編ですから・・・まぁ、いっか。