年末年始診療 12月29日~1月5日は休診します

年内は12月28日(土)まで、年始は1月6日(月)から通常診療を行います

2022年1月16日日曜日

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (2010)

裁判、とか・・・法廷、とか・・・そんなキーワードで映画を探してみたんですが、外国と日本では司法のシステムの違いがあるので、邦画も含めてみた方が良いかと。

そんなわけで、ひっかかったのがこの映画。北尾トロ氏の裁判傍聴をテーマにした2003年のエッセイ集が原作で、それを元に2007年にマンガになり、2009年にテレビドラマ(主演・向井理)、そして2010年に映画になっちゃいました。

監督は豊島圭介という人で、最近だと「三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜(2020)」が話題になりましたが、主としてコメディタッチの怪談とかが得意みたい。

売れない脚本家の南波タモツ(設楽統)は、怪しげな映画プロデューサーの須藤(鈴木砂羽)に依頼され「愛と感動の裁判映画」の脚本を書くことになったため、実際の裁判を知るため裁判所に通うことになります。

南波は裁判を傍聴することを生きがいとする「傍聴マニア」の西村(螢雪次朗)、谷川(村上航)、永田(尾上寛之)らと知り合い、いろいろな法廷で被告だけでなく、それぞれが個性的な裁判官、検事、弁護士など裁判に関わる人々に興味が湧いてくるのでした。

しかし、美人で攻撃的な追及を身上とする長谷部真理検事(片瀬那奈)に、傍聴マニアは「他人の人生を楽しむ」だけと非難され、南波は落ち込んでしまいます。西村は、傍聴するだけで裁判に関われない自分たちでも、KOパンチは撃てなくてもジャブは出せると、冤罪かもしれない事件を紹介します。

彼らは協力して、事件の弁護士にディベートに勝利するアイデアを匿名で送ったり、担当検事が集中しにくい変人の傍聴人をそろえたり、裁判長の出勤に合わせて息子の無実を訴える母親を配置したりといった作戦を展開しました。めったにお目にかかれない逆転無罪を期待する裁判が開廷しましたが、その冒頭で何と被告は自ら自分が犯人だと自白してしまうのでした。

原作はもとよりマンガもドラマも知りませんので、あくまでもこの映画だけについてのことですが、軽いタッチで裁判のシステムを紹介することには成功していますが、映画としてはテーマが希薄。笑わせ方も、俳優たちの大袈裟な演技だけに頼っているだけという感じです。

バナナマン設楽が主役で初の演技をしていますが、演技達者な脇役で固めてそつなく自然な演技を見せています。ただし、南波というキャラ自体は笑えるところがほとんど無いので、コメディアンを起用した意図がよくわからない。いろいろな裁判を傍聴するため小さなドラマを積み重ねた群像劇みたいなところがあるのですが、わざわざ映画にするほどではないかと・・・