2009年2月25日水曜日

やっぱイーストウッドでしょ!

♪ 小糠雨降る御堂筋・・・もちろん欧陽菲菲の歌う昭和の名曲。

今日の午前中は、そんな小糠雨降るセンター南でした。寒いので、昨日とはうってかわって閑で閑で閑で閑で・・・もうテンション下がりっぱなしの一日。患者さんの好みに合わせて、BGMも昭和の歌謡曲にしたりしても全然平気でした。

2月はもともと28日しか無く、診療実日数が少ないため、寒さと相まってクリニック経営の上では厳しい月と言われています。個人事業というのは、自分の気分しだいで収入を増やせも減らせもしますが、天候だけはどうにもできません。

こういうときに日頃たまっている雑務をこなせばいいのですが、なかなか気分が盛り上がらないのでだらだらしてしまうのはしょうがない・・・なんて、言っていられる身分じゃありません。

さて、昨日は映画の話で思わず熱くなってしまいました。今日は俳優編。とはいっても、そんなに好きな俳優がいるわけではないのです。昔から、外国の好きな俳優と言えば、クリント・イーストウッドなのです。

ローハイドの若いときから、マカロニ・ウェスタンでスターダムにあがり始めた頃、ダーティ・ハリーで人気が決定的になった時、自分で監督を始めた頃、中年の渋い魅力、そして年老いてからの味わいまで、嫌いなところがありません。

そんななかで、勝手に自分のベストをチョイスしてみましょう。最初に西部劇編。もちろん、最初のマカロニ物で、黒澤明作品のリメークだった「荒野の用心棒」ははずせません。これが面白くない人は、すぐに立ち去るしかありません。そして、自ら監督した「荒野のストレンジャー」も捨てがたい。しかし、監督作品でガンマンの撃ち合いよりもガンマンの生き様のドラマを展開した「アウトロー」がベスト。アカデミー作品賞を取った「許されざる者」は、悪くはないけど往年のパワーはありませんでした。

続いて刑事物編。こりゃ、もう「ダーティ・ハリー」につきます。ベストはもちろん第1作。第2、第3まではハリーのキャラにぶれが少なく、違和感なくみていけるのですが、第4作はだめ。個人的なヒロインの押しつけでハリーが壊れてしまいました。第5作は、まったく見るべきところはありません。ちょっとサイコなサスペンスでいい味をだしていたのが「タイトロープ」。

そして、コメディ編。「戦略大作戦」でユーモアの片鱗を見せていましたが。「サンダーボルト」で初めて本格的に笑いを取り込むことになります。賭けの殴り合いで日々をすごすトラック野郎、「ダーティ・ファイター」はイーストウッドのギャグの魅力を開花させました。その後は、あまり冴えた物はありませんが、作品の中の気を抜く部分を混ぜていくことができるようになったことが大きな成果といえます。

ドラマ編では、「マジソン群の橋」がトップでしょうが、恋愛物はやはりアクション俳優のイーストウッドの得意とするジャンルとはいえません。最近の作品では「ミリオンダラーベイビー」などが秀作といえます。戦争物もいくつか手がけていますが、「硫黄島・・・」「星条旗・・・」という監督作品よりも、「ハートブレイクリッジ」のさらにだみ声に磨きをかけた上官は最高のできでした。

年齢とともに老いをさらなる力にしていくところは、誰にでもできることではありません。クリント・イーストウッドは、まさに年をとることを武器に生き抜いてきた最後のハリウッドスターなのです。今年で80歳になるというのに、まだまだ創作意欲に衰えがみられないところは脱帽しかありません。