2015年11月22日日曜日

基本は三分割法

なんとなく綺麗とか、面白いとか思ってシャッターを切っているうちは、いつまでも初心者の域を脱することはできないらしい。

確かにそうでしょう。偶然の一枚にかけてもいいんですけど、できるならこういう風に撮りたいと思って撮った写真が、意図した出来上がりになれば、カメラが趣味ですと声にできるというものです。

そのためには、しっかりとした道具や、カメラの構造や扱い方の知識も大事ですけど、写真の構図をしっかりと考えないとダメ。

構図とは、被写体の要素をどのように配置するかということ。ぱっと見たときに、安定感がある構図というものは重要。見た目に安定感があると美しさに通じるというのは、いわゆる黄金分割という理論にまとめられています。

簡単に言えば、片方を1、もう片方を2に分けるのが最も美しく見える構図で安定感があるというもので、古来優れた画家の作品では、その比率が好まれたそうです。

最も普及した写真用フィルムの画面サイズは、24mm×36mmで、縦横比は1:2。これが、デジタル化した現在でも基本サイズになっていて、通称フルサイズと呼ばれています。

さて、いろいろな本やネットで構図について調べてみると、間違いなく誰もが基本中の基本と考えているのが「三分割法」と呼ばれるもの。


 なんか、ごちゃごちゃしていますが、上の絵が写真の構図の基本をすべて取り込んだイメージとして自分なりに用意してみました。

全体の枠は縦2、横3です。太いオレンジ色の線が、縦、横それぞれを三等分します。その交点には、オレンジ色を丸を置いてわかりやすくしました。

これが三分割法で、被写体の要素を、それぞれの線の上、あるいは交点に配置していくという、説明するだけならいとも簡単な話です。

縦・横に水平・垂直な点線は、それぞれを四分割するもので、三分割だと被写体が中心に集まりやすい場合には、ここまで広げてもOKというもの。隙間をたくさん作ることで、写真にストーリー性を出すことができるんだそうです。

そして、赤い点線は、対角構図、日の丸構図とよばれる配置の仕方を示したもの。対角線上に並べることで、時間的・空間的な流れを作ることができます。問題は日の丸構図で、初心者が一番無意識にやってしまうもの。

つまり、日の丸構図は被写体を画面の真ん中に置いてしまうことで、視点の移動が無くなってしまいます。一般的には、面白みに欠ける写真になってしまうわけです。そこを逆手にとって、ポイントを強調するというのが上級者のワザということなんですが、初心者はできめだけ避けたほうが無難なんでしょう。



とりあえず、夕闇迫るスカイツリーの写真を撮ってみました。左側は、スカイツリーを真ん中にどーんっと置いたもの。下の街並みは、スカイツリーからすると邪魔なだけで、面白みには欠ける写真です。

とは言っても、この場所からは街並みを排除するわけにもいきませんし、積極的に構図に取り込むように、三分割法を意識して構図を変えてみたのが右側の写真。

とりあえず、街並みが全体の構成要素になったことで、街並みの中からにょきっとそびえるスカイツリーが際立つ感じがします。どうせなら、もっと街並みを主役にするくらいでもいいんじゃないかと思ったので、さらに構図を変えてみます。


この写真は、半分偶然、半分意図して、比較的うまく撮れたと思っているものです。どうですが?

自画自賛みたいなところですが、三分割法と対角図法の融合によって、この道をぐんぐん走って行くとスカイツリーに到着する感じが表現できているように思います。この写真に構図の基本線を重ねてみます。
 スカイツリーは見事に三分割と四分割の線の間にはいっていて、一番目につく展望台がだいたい交点の近くにきています。下1/3は夕暮れの混雑し始め動きのある道路、それに対して上2/3は静のの空間です。さらに、建物が対角図法になっていて手前からスカイツリーに向かう遠近感を出しているつもり。


もう一つ、構図の上で大事なことは、被写体の水平・垂直を写真の上で崩さないことだそうです。斜めに写ったものは、不安定な感じが強く、時には不快な気持ちにさせるものです。

基本をおさえた上で、あえてそれを壊していくのも時には大切みたいなことも言われています。まぁ、初心者のうちはあまり冒険せず、とにかく基本をしっかりと習得するのが無難でしょうから、当面は三分割法を意識した写真を練習していきたいと思います。