おいおい、もうクリスマスの話かい、ずいぶんと気が早い・・・と、思うかもしれませんが、そうじゃない。
巷では、ずいぶんとフライング気味にすでにクリスマスの話題が出始めていますが、今日から正式にクリスマス・シーズンとなるんです。
キリスト教で親分のイエスの誕生日は12月25日とされ、この日をクリスマスとして盛大にお祝いします。その前の4回の日曜日を含む期間かアドベント(advent)、待降節と呼ばれてクリスマスの準備期間とされ、今日が待降節第一日曜日にあたるというわけです。
また、アドベントが始まることで、教会の暦は新しい年度を迎えるわけで・・・そうです、つまり音楽の父と呼ばれるヨハン・セバスチャン・バッハがたくさん書き残した教会カンタータを聴き始めるにちょうどいいわけです。
去年の春から1年間かけて、約200曲あるカンタータをガーディナー盤で教会歴に沿って聴き通しました。
キリスト教のことは、ほとんど勉強していなかったので、いきなりキリスト教のクライマックスみたいな受難週になってあわてましたが、やはり順番に聴くなら今日からが最適です。
バッハのカンタータは大きく分けると、若い頃のばらばらに作られたもの(35曲くらい)、ライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(音楽監督)に就任してから、教会歴を意識して通年の日曜日礼拝用に連続的に作られたもの(カンタータ年巻と呼ばれ、おおよそ5年分くらいある)、そして後年散発的に作られたものに分けられます。
いくつかあるカンタータ全集のCDは、作曲された順番、教会歴に沿った順番、または後年整理のために付与されたBWV番号順のいずれかで収録されています。
本当は数十年かけて、実際にバッハが作曲したタイミングに合わせ、なおかつ教会歴にも沿うように聴くのが理想的ですが、さすがにそれではあまりに長いプロジェクトになってしまいます。
教会歴の順番でまとめていくと、かなり年代の違うものが混ざってくることがあるので、作風の違いがかなりある場合も珍しくない。
また、たまたま何かの楽器の名手や優れた歌い手がライプツィヒに滞在している間は、続けざまに彼らに活躍の場を提供する曲が登場したりする。何年の作曲かを意識していないと、そのあたりはわからくなってしまいます。
キリスト教徒でもなく、またドイツ語の歌詞を聴き取って即座に意味を理解できるわけではない自分のような者には、同じような曲に聞えやすい。ですから、やはりこの日にはこれを聴くというのがはっきりしやすい教会順が一番わかりやすい。
自分の場合、とりあえず一度は全部聴き通したので、とりあえずあまり肩肘はらずに気楽に再スタートしたいと思います。
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