2015年11月20日金曜日

モネ展

9月から東京都美術館で開催されている、ルノアールと共に印象派の代表的な画家、モネの展覧会に行ってきました。

最初にいきなりですが、文句の一つも言いたくなるのが・・・この展覧会の最大の目玉は、印象派という呼び方のきっかけになった「印象、日の出」という1872年の作品の展示なのですが・・・ですが・・・それが、、、、無い!! !! !!

入るや否や、いきなり展示は終了しましたって書いてるじゃありませんか。いやぁ、そりゃ無いだろう、って思わず声に出してしまいそうになるのをねぐっと飲みこんで・・・かなりテンション下がりました。

確かに、改めてよぉ~く、ホームページなどを見てみると、「印象、日の出」は期間限定の出品で、展示されたのは最初の1か月間だけとなっています。それにしても、ずっと目玉はこれですって宣伝しているわけで、何かだまされた感がある。

実は9月に箱根のPOLA美術館に行った時も、セザンヌの特別展示が箱根山の噴火の影響で早々に終了していて見れなかったんですよね。どうも、やっぱり印象派とは縁が無いのかもしれません。

もっとも、西洋絵画の中で印象派と呼ばれる一群の作品が、特別に大好きというわけではなく、知的好奇心を満たす知っておくべき事柄と思っています。モネの作品は興味深いのですが、自分にとって絵画では絶対的な対象はレオナルド(ダ・ヴィンチ)ですので、時代も方向性もだいぶ違います。

それはともかく、もう目玉の展示が無いせいなのか、比較的混雑はしていなくて、会場内はあっさりしたものでした。とりあえず進むと、最初に展示されていたのは「モネ」さんそのものの絵。これって有名ですけど、書いたのは親友だったルノアール。

これはこれで、見るべき価値があるものなんですが、モネ展の最初が他人の作品から始まるって、何か違和感があります。ざっくりと見て歩いていくと、最後のコーナーは晩年の自宅の庭を描いたものが中心。

自宅の庭というと、一連の水連の作品が有名です。ところが、白内障で視覚に異常を来していたため、色は赤と緑が中心で、タイトルが無ければ何を描いているのかよくわからないものばかり。

「年をとっても情熱を失わず」という表現は間違っていないと思いますが、「さらに前衛的に進歩」しているというような解説文は、違和感を感じました。

絵画史的な評価としてはそうなのかもしれませんが、自分には訴えかけてくるものはあまりなく、かえって「不安感」のようなものを掻き立てられるようなところがあって、好きにはなれませんでした。

というわけで、にわか美術ファンにとっては、ちょっと満足感の少ない展覧会・・・というと、モネのファンの方には申し訳ないのですが、とりあえず秋にしておきたいことの一つを達成したというところでした。