2022年1月25日火曜日

スウィングガールズ (2004)

日本のエンタメ邦画の牽引する矢口史靖が、「ウォーター・ボーイズ(2001)」に続いて放つ夏青春コメディ。

岩手県が舞台。高校の吹奏楽部が野球部の応援で食中毒になって、落ちこぼれの鈴木友子(上野樹里)や斉藤良江(貫地谷しほり)は、夏休みの補習に出るかわりに臨時の楽団を始めます。でも、正規のメンバーが戻って来てお払い箱になってしまう。

一度楽器を手にした友子たちは、その楽しさに魅了されバイトで貯めたお金で中古の楽器を集めました。最初はグダグダだったんですが、ジャズが好きなだけで楽器ができない小澤先生(竹中直人)のアドバイスで、しだいにバンドらしくなってきました。

市の音楽祭に出場応募したものの、友子のミスで応募締め切りを過ぎてしまい出れなくなってしまいます。友子は出れないことをなかなか言い出せず、バンドは出発しますが、雪で出場辞退の学校が出たことでぎりぎり間に合いました。演奏を始めると、観客もしだいにノリノリになって会場全体が音楽に酔いしれ、友子たちも大満足で終わるのでした。

バンド唯一の男子は平岡祐太、大人しくて目立たないけど上達の早い詩論ボーンは本仮屋ユイカ、他にも吹奏楽部の先生に白石美帆、吹奏楽部リーダーに高橋一生、友子の父は小日向文世、母は渡辺えり子、楽器店店員は江口のりこ、音楽教室の先生に谷敬などなど、知られた反優さんがたくさん出てきます。

出演者のうち楽器がもともと扱える人はほぼ皆無だったため、撮影の3か月前から猛特訓があり、映画の中での演奏は実際に俳優たちが頑張って実演したらしい。確かにプロの演奏としては聴き劣りしますが、気持ちで乗り切った感じがあって十分に楽しめるレベルであることに拍手します。

最後は、音楽祭の審査結果とかまでやらず、感動の演奏が終わったところで幕というのも良い。こういうのは勝ち負けをはっきりさせると、どっちに転んでも不満が残るかもしれません。