2022年4月18日月曜日

きのこの話


イタリア料理でもキノコは大活躍する食材の一つで、イタリア語ではフンギ funghi です。ただ、日本と違い、旬の時期に旬の物を食べる文化があるので、年がら年中、簡単に手に入るわけではないらしい。また、地域による食文化もけっこう違いがあるようで、ネット情報だけではなかなか定番のキノコを決めるのは難しそうです。

もともと、ナポリタン・スパゲッティに入っていたというのもあって、マッシュルームはいかにもイタリアっぽく思ってしまいます。イタリアでは、時期になると一般人のキノコ狩りはかなり盛んらしく、食用の可否を判断してくれる役所もあったりするようです。

無い物ねだりをしても始まりませんから、日本で手に入りやすい代表的なものを選んでみました。

最初はマッシュルーム。あちらではフランス語のシャンピニオンと呼ばれ、イタリアでも、いつでもスーパーに売っているらしい。ハラタケの一種で、17世紀ごろから人工栽培されるようになり一般化したようです。日本のスーパーでは、たいていホワイト種とブラウン種が売っていますが、ブラウンの方が傷みにくく長持ちします。

エリンギはヒラタケの一種で、食感があわびに似ていることから白あわび茸という名前がついていることがあります。日本では90年代から人工栽培技術が確立し、急速に食卓に広まりました。香りが少ないのでどんな料理にも合わせやすいのが、利点であり欠点。元々は、地中海地域に自生していたものなので、イタリアでもよく使われているそうです。

イタリアの高級キノコとして有名なのがハラタケの仲間であるポルチーニ。丸っこいので「子豚」という意味が語源です。独特の香りが強く、イタリアでも人気が高い。ただし自生種しかないため、秋の時期にしか採取できません。パスタでもリゾットでも、そのままソテーなどどんな食べ方にも合います。

日本では、生のまま手に入れることはほぼ無理で、冷凍したものかスライスして乾燥させたものが売られています。価格はけっこう高い。安価な中国産もありますが、大きな声では言えませんが虫の混入がかなりあるようで注意が必要。ホールの冷凍ものは解凍すると、ぐずぐずになるので調理が難しい。乾燥ものが香りも凝縮して、扱いやすい感じです。

他にはジロール茸(アンズ茸、フィンフェルリ、あるいはガレッティ)というのもイタリアでは人気らしいのですが、日本では稀に乾燥物を売っている程度でなかなかお目にかかれません。

イタリア料理でも、日本で定番のキノコを使うのはほとんど違和感が無いので、しめじや舞茸などはどんどん合わせています。ただし、椎茸は香りがいかにも日本料理っぽいので、和風のパスタとかリゾットに向いている感じがします。