2008年2月10日日曜日

Richie Beirach / Elegy For Bill Evans

特にすごいことをやっているわけではないのだけど、リッチー・バイラークがビル・エバンスがドラッグで死んだことで1981年に日本の企画で作ったピアノ・トリオの1枚。

もともとバイラークとエバンスは直接の接点はないはずだが、バイラークはエバンスの余情的なところにかなり傾倒していた節があって、このアルバムの前後にもエバンスのレパートリーを取り入れたソロ・アルバムを出している。

70年代にはマイルス・デイビスのもとを去った後のデーブ・リーブマンのグループで活躍し、その後ECMの代表的なアーティストとして活躍していた。比較的スイングする音楽とはあまり関係ないジャズ・ピアニストという印象だったが、ここでは4ビートのストレートな音楽を楽しげに演じている。

ベースは手堅くジョージ・ムラーツ。そして、意外なことにというと怒られるかもしれないが、この時点でも現役のマイルス・デイビスのバンドからアル・フォスターがドラムを叩いている。ある意味ではフォスターが4ビートを刻めるのに、当時はびっくりしたものだ。

In your own sweet wayのようなスタンダードから始まり、エバンスの代表作のひとつであるBlue in greenへと流れ、最後はNardisでしめくくる。ここでのNardisはエバンスよりも、早めに攻撃的な演奏で、あまりに早いエバンスの死を悲しむというより、むしろ怒っているのではないかという気がする。レコードの時代なので、今から思えばあっという間の40分間だ。