新型インフルエンザは、近い将来に大流行することが予想され、ある意味では「メタボ」などより多くの問題を含んでいます。その一つが、Pandemicです。
パンデミックとは広域に感染症が大流行することを意味しており、新型インフルエンザのパンデミックでは厚生労働省の試算では、国内で10万人の死者がでるとされています。
横浜市は港があり、国外からウイルスが持ち込まれる可能性があります。また成田・羽田との直通バスが運行されている関係で、いきなり流行が始まる可能性はゼロではありません。
もしも、このような事態が発生したとき、どのように対処すべきかは、まだまだ机上の議論の段階で、実質的な対策はやっと始まったばかりといってもよいのです。
新型インフルエンザの発生は6段階に分けて考えられています。Phase 1 ~ Phase 2はいわゆる鳥インフルエンザ。人への感染の可能性のあるウィルスが検出される段階です。
Phase 3 になると鳥インフルエンザが人への感染が確認された段階。
Phase 4 になると人から人への感染を起こす新型インフルエンザと呼び、規模は限定されているものの感染が広がります。学校・通所施設の閉鎖、集会の自粛などが要請されます。
Phase 5 は感染は拡大するものの、依然限定的な広がり。
そしてPhase 6 ではパンデミックとなり非常事態宣言が発令されます。実際のところPhaseに沿ってゆっくりと進行するものではないと考えられていますから、いきなりPhase 6になることも十分にあり得る話です。
原則として横浜市では市民病院がその治療に当たることが原則になっていますが、パンデミックのときに、市民病院までのんびりいけるはずもなく、そこらじゅうでパニックが発生することは容易に想像できます。
インフルエンザの「特効薬」であるタミフルは唯一の治療薬として備蓄されていますが、国全体で2500万人分。そのうち神奈川県は71万人分。さらに、そのうち横浜市の分は29万人分。
ということは都筑区は人口比率で約1万5千人分のタミフルしかありません。これは行政が責任を持っている分です。それ以外に医療機関などがどこまで考えているか。一般開業医が個別に扱うことは不可能ですが、医師会という組織となれば違います。
地域の拠点病院である昭和大学横浜市北部病院と協力して、それぞれの役割を明確にしいかに対応していくか早急に実効的な対策を考えています。地震などの災害時の対策とともに行政の中心である区役所とも密に連携して協議を重ねています。