昨日も今日もクリニックはガラガラ。どうしたもんでしょうか。もっとも、開業して3年。やっと1日の平均で60人くらいの患者さんに来ていただけるようになっただけですから、普通のはやっているクリニックからすればたいしたことはない。
30人来たときは、もう一杯一杯で、40人なんて無理と思っていましたが、40人くるようになるとなんとかなる。でも50人は無理と思っていても、60人までこなせるようになっていて、ぎゃくに50人じゃ少ないと思っているというのは贅沢な話ですかね。
初心忘れるべからず。どんな状況でも、最初の志を貫徹していくことが男の花道ぞ、ってな大げさなことは考えていませんが、まだまだ現状に甘んじてしまうわけにはいきません。
借金が全くないのなら、あるいはこどもたちが成人しているのならともかく、まだまだのんびり温泉旅行をしていられる身分ではありません。
去年はさんざん書いた横浜市都筑区の新規開業ラッシュも、さすがに最近は落ち着いてきたようです。昨年の地下鉄の新線開通で駅が増えたため、いろいろ医療ビルのテナント募集などがいっきに増えたわけですが、さすがにここにきて飽和した感があります。
正直言ってライバルは少ないにこしたことはありません。ライバルの中で、どうやって差別化していくかが大きな問題です。行政はいわゆるかかりつけ医を作ることにやっきになっていますが、もちろん総合診療科というようなものでは他との差が出しにくい。
かといって、専門性だけを突出させても開業医にできることは限られてしまうわけで、特に整形外科という手術してなんぼの科では開業して基本的には手術ができないと、結局手術のできる病院に紹介するしかないわけです。
そう考えると、関節リウマチという病気を主に扱っているとちょっと有利なのではないかと思ってしまうわけです。
なぜなら、診断はレントゲンと血液検査。MRI検査は使えるにこしたことはありませんが、絶対ではありません。うちの場合は、近くの別の整形外科クリニックに依頼するのですが、たいていすぐに検査をしてもらえるので助かります。
治療も薬を使った治療が主で、特別な処置が必要なわけではありません。最新の生物学的製剤という注射薬を使える状態なら、大学病院と特に違った部分はありません。
あとは、副作用などの問題が出たときのベッドの確保さえできればたいていのことは困らない。ですから、近くの病院で月に1回外来をしていることが意味があるわけで、多少の無理は聞いてもらえます。また、手術が必要な患者さんがいれば、そこで手術も可能なわけです。
ですから、内科的な治療と外科的な治療のバランスをとるには、けっこう理想的な環境のモデルと言うと手前味噌過ぎでしょうか。
あと、患者さんからすれば医者が変わらないというのも大きな利点です。大学病院では人事の関係で担当医がしょっちゅう変わるというのが、患者さんにとっては大きな不満になります。リウマチは医者と患者さんとは長い付き合いになるわけですから、医者がずーっと同じクリニックというのは悪くない。
もう一度初心に帰ってみると、大学病院並みの医療を地域で提供するという当初の考えに沿って、次はどうしていくかを考えないといけませんね。