皆さん、又かとお思いでしょうが、まぁ勘弁してください。この1年、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聞き続けてきましたが、しつこいようですがちょっと自分のために整理しておきたいわけです。
最初がアシュケナージ。これは、開業したころにBOOK・OFFで買った物で、「悲愴」「月光」「熱情」の人気3大ソナタがはいっているもの。でも、まったくピンとこなかった。
そして、グールドのゴールドベルク変奏曲でクラシックに開眼して、その勢いでグールドのベートーヴェン。バッハで有名なピアニストですが、ベートーヴェンでもバッハ的な雰囲気が出ています。
そして、とにかく速い。サーカスのようなスピードです。後で、他の人の演奏を聴くと、その速さが尋常ではないことがよくわかります。
そして、アラウ。これもBOOK・OFFの中古。21番の「ワルトシュタイン」でしたが、とにかくどっしりとした風格がベートーヴェンのイメージとしっくりきて、やっと面白くなってきました。
そしてやっと全集として手に入れたのがケンプ。32曲を通して聴いて、ベートーヴェンが音楽家として成熟していく様子が感じられ、ケンプの堅実で淡々とした演奏に好感が持てました。
そうすると、いろいろ評判のよい演奏を聴きたくなる物です。まずはアラウの全集。そしてギレリス、グルダ、ニコラーエワ。そして11月にリル。それがなかなかよかった。
そして年末に、ついにブレンデル(90年代)にたどり着きましたが、これがいいのかよくわからない。というか、このところバロックばかり聴いていたので、まだ少ししか聴いてないのです。悪くはないと思うのですが、なるべく通して聴いてみないとなんとも言えません。
この全集は、けっこう評価が分かれるようで、研究しつくしたブレンデルの演奏を絶賛する声と、個性に走りすぎた演奏として批判する意見があるようです。
自分で演奏する立場からは、厳しい評価が上がりやすいのではないでしょうか。自分のように聴くだけの者にとっては、他人との差があればあるほど楽しいわけです。
ところで、定番中の定番、バックハウスなんですが、やはりどうも興味がわかない。たぶん、もっと聴いてみたいものがあるからなんでしょうね。それと、最初に聴くタイミングをなんとなく逸失した感があるわけです。
ここまでは、ほとんどが録音は比較的古いものばかりで、現役ピアニストのものがはいっていません。そろそろ次に狙うのはそこらでしょうか。評判からはコヴァセヴィチ、プルーデルマッハーあたりに行きたいところ。
それから、去年から全集にとりかかった、日本在住のメジューエワ(75年生まれ)にも注目です。また過去に数曲だけ弾いているグリモー(69年生まれ)でも是非聴いてみたい。どちらも女性ですが、だいぶタイプは違う感じです。
こんな感じで、まだまだずーっと楽しめそうです。