当直バイトをしていると、ほんと整形外科医とは思えない。自分は内科医だったんだ、と錯覚をしてしまいます。
この前の成人の日も、外来は老人病院としては随分きました。
事務から救急車の問い合わせ。「転んで足を痛がって歩けない人だそうですが・・・無理ですよね」といわれて、「それが本職です」と言いたい所なんですけど、実際、レントゲンも撮れないし、整形外科医の常勤がいない病院ですから受けても後が困るわけで、「はぁ、そうですね」としか言いようがない。
大変複雑な気持ちになるわけです。
それから来るのは、昨日から高熱と喉の痛み、あるいは今朝から嘔吐と下痢ばかりです。高熱の人はインフルエンザの疑いありで、検査で半分はA型が陽性に出ました。実感として、一番流行っているピークを迎えている感じですね。
そうこうしていると、また事務から電話。「転んで額を切った人から問い合わせです」これは、ここでもOKなんで、「ハイ、どうぞと言ってください」と返事をします。しばらくして、また電話。「先ほどの方は、他に行くそうです」うーん、縫うのにはけっこう自信があるのになぁ。
続けて高熱の人、下痢の人。
またまた救急車から連絡。「一昨日から食べれなくなって歩けなくなった人ですが・・・」こういうのは、何があるかわからないので一番怖い。とりあえず、血圧や呼吸などは問題ないとのことなので受けることにしました。どうしても困るようなら大きな病院へ送ればいいや、と多少開き直り気味です。
実際、来てみると明らかな意識障害も無く、どうも脱水のようです。明日の検査でも大丈夫そうなので、とりあえず入院してもらうことにしました。
続いて高熱の人、下痢の人。皆インフルエンザの予防接種を受けていない人ばかり。だから、予防接種をしなさい、っつーの。
なんか、普通に内科外来やっている感じです。夕方にやっと外来も落ち着いたと思ったら、今度は病棟で、おしっこが出ない人、痰がやたらと多い人。のんびりベートーヴェンでも聞いていたいところですが、夜中にいつ起こされるかわからないので9時過ぎには寝てしまいました。
まぁ、前にも書いたのですが、お陰で整形外科だけしかできませんということもなく、簡単な内科的なこともできるというのは関節リウマチ診療の上では大いに助かるわけです。
自分は、基本的には狭く深くの専門中心の医者ですが、なにしろ関節リウマチではいろいろな内科的な合併症や、薬の副作用なども対処しなければなりませんから、広く浅くというのも大事。
当直バイトは生活のために必須であるのですが、さらに本職にも貢献するというのはありがたい。まぁ、今年もこのペースで整形内科に磨きをかけたいと思うわけです。