今年もあと数日を残すのみとなりました。
クリニックを開業して丸5年となり、医療法人化という一つのステップを越えて、少しは成長したのでしょうか。開業したときはまだ40代で、それなりのパワーに自信がありました。実際、当初の見込みどおりにはまったくいかないことばかりで、悪戦苦闘していたわけですが、それを乗り切ったのもパワーのおかげでしょうか。
このブログをはじめたのも、患者さんを集めるための無料でできる広告ツールとしてでした。丸1年が過ぎて、何とか生き残っていたものの、毎日毎日がいつ閉院するかの恐怖の連続だった頃です。隣のあざみ野棒屋先生には「近所の底力」みたいに言ってもらいましたが、実際のところ、とにかく患者さんを集められるのであれば何でもやります、みたいな状態でした。
そうは言っても、まったくお金には余裕が無く、このブログでも業務用スーパーでの買い物の話を幾度となく書きましたが、現実に贅沢を言っていられない状況だったわけです。当直のバイトも「内科的知識のアップデート」のように強がっていましたが、そりゃやらないですむならそれにこしたことはない。
まぁ、ブログ自体は無料でできるネット広告としてはそれなりの役目を果たしてきたわけですが、今は自分の日記としての色合いが増えてきました。誰も読みたくならないような話でも延々と書いていると、まぁそれなりに楽しみ、時に苦しみになっているのです。今年は、他に書きたいことがあっても、1日1篇と決めていました。どうでもいいときは、いくらでも書きたいネタがあるものですが、無いときはその1篇ですらどうにもならないものでした。
いろいろな経験の中で、少なくとも一気に患者さんが倍増するなんていう虫の良い話はないということを学びました。開業医は結局、口コミが一番の宣伝であり、どんなに広告を出してもそうは変わるものではありません。去年からは駅の看板と田園都市ドットコムだけにしています。
今年も広告については、まったく変更はありません。それ以外では、近くの川和高校と荏田高校の吹奏楽部の演奏会プログラムに出しただけ。これは、ほとんど広告効果は期待できるものではありませんのでほとんど寄付というレベルです。でも、なんか音楽に携わる若者のを少しでも応援するという気持ちですので、クリニック名などは下のほうに少しだけ入れる程度にしました。
それで患者さんの数はどうなったのかというと、本当に微増してきたわけで、今までのところ前年同月比割れが一度もないというのは奇跡のようなことです。こんなことを書くと、すぐに落ち込んでしまうかもしれませんけど、もともとスタートの時期があまりに患者さんが少なかったので、最初の目標が低かったということでしょうか。
1年で収支はとんとん、3年で何とか勤務医レベルの収入を得ることができるようになりました。そして、5年で生活にやっとゆとり・・・と思っていたのですが、まだまだお金がかかることが目白押し。今年もバイトはやめられませんでした。去年とほぼ同じだけの当直をこなしてきましたが、来年もまだまだ続きます。
クリニックのイベントも定着してきて、何とか水族館も続いています。夏にはベランダ菜園、ハロウィーンでのお菓子配り、そしてクリスマスでのサンタ折り紙のプレゼントなど、ひとつひとつはたいしたことではないのですが、「社長」であるうちのかみさんのアイディアが大きく、このあたりは男にはなかなか思いつかないものばかりです。
クリニックは医者が働かなければどうにもならない、というのは事実ですが、一方医者だけが働いてもどうにならないというのも真実であり、スタッフに恵まれるかは最大のポイントです。今はとても素晴らしいスタッフが支えてくれていて、とても働きやすい。かみさんがうまく院長との間を埋めてくれているのも助かっています。
専門分野の勉強に使う時間を作る余裕もでできて、恵まれた2010年でしたが、このペースを崩さずにさらに発展できるように来年も頑張りたいと思うわけです。どうか、よろしくお願いします。