2011年8月8日月曜日

オスカー・ピストリウス

クリニックは8月11日(木)~8月15日(月)は夏季休診になりますので、ご注意ください。

南アフリカ、ヨハネスブルグ近郊で1986年に誕生。生まれつき両側下腿の異常があって、1歳になる前に膝下で両足を切断。彼は両足義足という、重いハンディを背負うことになる。

そして、10秒91。何だと思います? 驚愕の数字です。ホットドックの早食いではありません。これは陸上短距離100mの自己ベストの記録だというのです。

2008年の北京パラリンピックでは、100m、200m、400mの3種目で金メダルという活躍をみせました。そして、今月韓国で行われる世界陸上の南アフリカの代表選手として出場するというニュース。これは障害者レースではありません。

もちろん世界記録からすれば、メダルの可能性は低いと言わざるをえません。また南アフリカだから出場できると考える人もいるでしょう。しかし、それにしても、健常者に混ざって戦うという気持ちは並大抵のことではありません。

自分も整形外科医という立場で、多少なりとも義足については知っているつもりです。膝上での切断だったら、競技レベルで走ることは到底不可能だしょう。膝下の切断だから、ピストリウスには一つの希望が残されたと思います。

実際、うまい義肢製作者が真剣に作った義足は素晴らしい能力をはっきするものです。しかし、それにもまして、使う本人の意欲が大きな要素となります。彼は、かなり高い精神力を持っているにちがいありません。

世界陸上では、またボルトの走りが話題になるのかもしれませんが、自分はピストリウスの走りに注目していたいと思います。