リハビリテーションは、英語でrehabilitationと書きます。接頭語のreは「再び」という意味。次のhabilisが「適する」ということで、再び適した状態にするという意味が込められています。
habilisから関連した言葉としては、habit(習慣)という言葉があります。re-habitと考えれば、慣れ親しんだ元の習慣に戻るというように考えることもできます。
元々の意味を考えると、いずれにしても病気やケガによって失われた機能を回復するということが本来の意味、これはマイナスをゼロまで戻すと言うことであって大変重要なことです。
でも、最終目標はゼロの状態であって、必ずしも前向きなものではありません。いつからかはよくわかりませんが、少なくともできるならマイナスからプラスにまで持って行くことがリハビリテーションに求められるようになってきました。
障害からの回復とさらに適応するための様々な方法が使われ、社会的な「復権」が最終目標であり、そのためには様々な方法が必要とされます。
実際には、理学療法士による運動療法が主体となっていますが、作業療法士による機能訓練もしばしば用いられます。さらに言語療法、心理療法や、時には装具療法、さらに福祉サービスなども利用されるのです。
理想と現実は時に違ってくるものですが、リハビリテーションも多くのスタッフや十分な施設が必ずしもそろうとは限りません。
うちのように小さなクリニックでは、なおさらやれることが限定されてしまうわけですが、逆に大きな病院ではできないことをカバーすることもあります。ここでも、病院と診療所の役割分担というものがあるわけです。
できるだけ理想に近い形を実現できることが望ましいのですが、少なくともできることを確実に実施して少しでもマイナスをプラスに持って行けるように考えたいと思います。