2012年1月2日月曜日

クラシック音楽の聴き方 2012


さんざん元旦はいろいろな区切りとして大事だ、みたいなことを書いていたにもかかわらず、何となく1日が終わってしまいました。気がつくと2日になり、そんなこんなで三が日が終わってしまうのは例年のこと。

今日は、毎年正月と言ったらこれ。箱根駅伝です。まぁ、唯一正月にかかさず見るテレビでしょうか。なにかを応援するというのはいいもので、自分も一緒に気分が盛り上がります。

さて、国外で元旦のイベントで(一部のファンに)注目されているのが、ウィーンフィルのニュー・イヤー・コンサート。昨日NHKで放送されていました。

2002年に小澤征爾が招かれたことで、日本でもだいぶ知られるようになりました。この時のCDが、クラシックとしては異例のベストセラーになったのには驚かされました。何しろうちにだってあるくらいですから、推して知るべしです。

ウィンナ・ワルツといえばシュトラウス・ファミリーに尽きるわけで、多くのワルツやポルカは小学校の音楽鑑賞の入門編としては超有名でしょう。ただし、やはり上流階級の紳士淑女が踊るための音楽であることが基本ですから、音楽の粗製濫造的なところがないわけではない。

もっともヴィバルディ、ハイドン、モーツァルトあたりは、もうどこを切っても金太郎状態ですから、そのことをもってして音楽として低級というような言い方をすることはよくありません。時代のニーズにマッチした、極上の娯楽音楽・・・つまりポップスとい解釈をしたほうが良いのでしょう。

ただ、自分としては大編成オーケストラによる管弦楽曲というのはあまり好きではないので、シュトラウス・ファミリーの曲については、とりあえず常識的な範囲だけしか知りませんし、CDも1セットだけ。毎年のニュー・イヤー・コンサートのCDを集めて楽しむほどのファンではありませんね。

自分の場合を引き合いに出して、クラシック音楽のファンが成長していく過程を考えてみましょう。忘れてはならない大前提は、クラシックは基本的には作曲家の書いた楽譜に沿って演奏されるということと、有名な作曲家の大多数は過去の人ですから新作がないという点です。

過去の作品については文化遺産であって、著作権などというわずらわしいものはありませんから、今風に編曲されたり映画などで効果的に使われたりと、有名曲はちょこちょこ耳にするものです。たぶん最初はその雰囲気が気に入っていくので、バロック音楽が好きになったり、古典派がよかったり、あるいはロマン派がしっくりくるということになります。

その中で、気に入った作曲家がでてきて、バッハを集めたり、ベートーヴェンを聴いたりとしていくわけですが、前提で指摘したように何しろ新曲がないので音楽の量に限りがあるわけです。ただし、大作曲家を一通り聴き終わる頃には、お気に入りの曲が決まっていて、楽譜通りの演奏といっても演奏者によって解釈の仕方がちがっていることに気がつきます。

次のステップは演奏家による違いを楽しむステージ。これが編成が小さいほどはっきりしてくるわけで、最も差がでやすいのがピアノ独奏曲です。モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトのピアノ・ソナタは録音も多く、聴き比べをするには最も適しています。

昔と比べて全集が安価に手に入るようになったので、よけいに聴き比べを楽しむ環境が整っています。昔だったら、LPレコード数十枚組なんていうセットは高価で置き場所も困るので、そうそう所有することなんてできませんでした。

聴き比べをやっていると、演奏者の特徴というのがわかってきて、これが次の段階の始まりです。つまり、お気に入りの演奏者、時に楽器というものが決まってくる。これについても、最近は演奏家ごとの集大成みたいなCDがけっこうあるので、ある程度人気がある場合は集めやすくなっています。

演奏家のファンになって、その人の演奏を追いかけていくと、必ず今まで聴いたことがない作曲家の音楽にぶつかるものです。そうして、あまり日の当たらないマイナーな作曲家の中に、「おっ、これいいじゃん」というものを見つけ出すようになると、立派なマニアに成長した証となるわけです。

そんなわけで、今年も音楽ネタ・・・特にクラシック音楽の話をたくさん書くことになると思いますが、かなりマニアックな方向性に向かっていると思いますかお許しを。