2012年10月12日金曜日

期待はふくらむ

なんか、アイピー何とか言う偉いことがノーベル賞いただけるんだって? 京都の立派な先生の仕事だそうね。これで私の磨り減った膝も元に戻るんでしょう。あれぇ、生きていてよかったわ。

・・・と、今日外来をやっていてお年寄りに言われたんですが・・・

残念ながら、まだまだ実際の治療に利用できるまでには、もう少し時間がかかりそうです。早くて5年、誰もが手軽に利用できるようになるには10年くらいはかかるんじゃないでしょぅか。

ありゃりゃ、10年たったら、あたしゃ90だからね。そこまではもたないわぁ。せっかく楽しみにしていたのに、残念なこと。

本来からだの中では再生できない軟骨ですからね、まだまだ簡単にはいかないと思います。整形外科の基礎研究は、一度壊れたら治らない神経と軟骨の再生が究極のテーマなんですよ。もう何十年も前からね。

じゃぁ、とりあえず、また油をさしておいてもらおうかしらね。つくづく、残念だわ。

というわけで、そりゃまぁ期待しますよね。iPS細胞の研究は、医学を守りから攻撃に大きく舵を切り返すものです。整形外科に限らず、多くの診療科にとって根幹を変えてしまう可能性を持っています。

医学を志すものにとっては、勉強しないといけないものは、ものすごい勢いで増えていて、自分たちのような昭和の医者はついていくことが大変です。

ただ、そういう新しい知識を作り上げている人も同世代であることは間違いない。今日のお年寄りのためにも、なんとかついていけるように、努力を続けないといけないなぁと思います。