アメリカの山岳映画。父と妹と壁を登っている最中に滑落事故を起こし、ザイルを切ることで父を死なせた主人公は大きな十字架を背負う。暗にそれを批判する妹が、数年後に山で遭難し、主人公は命を賭けて救助に向かうのだった!!
まあ、山岳映画としてはよくある展開で、内容としてはそれほど面白くは無い。面白くは無いのですが、そこに自己保身の強い利益のために登山を計画した実業家が加わり、彼の過去の遭難に疑問をもつベテラン登山家が割って入ってきます。
その他の登場人物にも、一定のキャラクターがしっかりと描きこまれていて、人間ドラマとしてけっこう充実した内容ではないかと思います。
ただし、遭難者の救助のために二次遭難が必然のように起こるのは、おそらく登山家の方々にはかなり奇異な印象をあたえるかもしれません。3人遭難して、救助に向かうのが6人。救助できたのは一人で、救助隊で生還できたのは二人。つまり9人中、6人が死んでしまうのです。
出演者は主役はバットマンをやったクリス・オドネルですが、それ以外はあまり有名人は出ていません。ただし過去の清算のために救助に加わったベテランを、地獄の黙示録、ライトスタッフなどで渋い演技が光るスコット・グレンが演じていて、映画を締めています。
撮影はなかなか見事で、もちろん 山岳シーンはなかなかのもので、手に汗握る映像は、なかなか迫力があります。とりあえず、アクション物として、大自然の怖さを単純に描いた映画としては合格点でしょうか。