流通評論家、金子哲雄さんが2日に急死。ホンマでっかTVなどで、この数年しばしば顔を見ることが増えていたタレントジャーナリスト。
少なくとも、とにかく大変がんばる人という印象をもっていました。亡くなってから、急にやせたこの1年くらいの闘病中の話や、自ら葬儀関係を手配していたことなど、周りに大変気を気張る人だったことがわかってきました。
実際、死を宣告されて冷静でい続けることは 相当な強靭な精神が必要なはずで、金子氏も葛藤の毎日であったろうと想像します。
亡くなった原因の肺カルチノイドという病気については、テレビでもずいぶんと解説されました。もちろん、自分は呼吸器専門の医者ではないので、テレビで説明された以上にコメントできることはありません。
ですから、病気そのものではなく病名のことについて、一言追加しておきたいと思います。カルチノイドというのはカルチ+オイドという二つの言葉が合わさったもの。
カルチは、カルチノーマ(carcinoma)で癌のこと。悪性腫瘍は上皮性と非上皮性に大別され、上皮性のものを癌腫 carcinoma と呼びます。非上皮性のものは肉腫 sarcoma で、整形外科が関係するものはほぼすべて肉腫です。
医学用語は多くの接尾語がついていることがよくありますが、・・・oma というのは腫瘍のことです。カルチノイドの・・・oidというのは、・・・に似ているものという意味。ですから肺カルチノイドというのは、肺ガンに似ているものという意味です。
関節リウマチはRheumatoid arthritisというのですが、rheumatoidはリウマチみたいなという意味。arthritisの前半分は関節を意味していて、後ろ半分の・・・tisは炎症のこと。ですから、厳密には邦訳するとリウマチ様関節炎となります。
骨腫瘍のひとつに Osteoid Osteoma というのがあるんですが、osは骨のこと。となると、どういう意味がおわかりでしょう。つまり、骨みたいな骨の腫瘍ということになって、日本語では類骨骨腫(るいこつこつしゅ)と呼びます。
なんにしても、金子氏の41歳で急死というのは、とっくにその年齢を通り過ぎている身としてはけっこうこたえる話です。