さぁ、ここから11月までは、キリスト教の教会暦では、無風に近い半年間。ひたすら三位一体節後第×主日というのが続きます。今年は×は23まで続くはずで、バッハがライプチィヒに着任して、理想の教会音楽を作り出すのはこの時期から。バッハのカンタータ年巻のスタートです。
バッハの教会カンタータもこの間は、比較的地味なものが多くなるようです。以前の作曲のパロディだけでなく、後年この間のカンタータは、再利用されるケースが比較的多いので、このあたりを楽しめると上級者でしょうか。
新米カンタータ聴きとしては、もう一度ばたばたと聴いてきたものを聴きなおしたり、特に受難曲などの大作を再確認するのに都合がいい。また、バッハ以外の作曲家のものもよく聴いてみたいと思います。
さて、この日のためのカンタータとしては、3曲あります。
1723 BWV 75 乏しき者は食らいて
1724 BWV 20 おお 永遠、そは雷のことば
1726 BWV 39 飢えたる者に汝のパンを分ち与えよ
BWV75が、バッハがライプチィヒのトーマスカントルに就任して、最初の新作カンタータです。さすがに、プレイボール後の初級を一番バターがホームランを狙っているみたいなところで、30分ほどの長めの作品で、構成も凝っている。
前半7曲をコラールで〆て、後半7曲はシンフォニアから始まります。それぞれの間は、レシタティーボとアリアが交互に出てきて、アリアは4声すべて出てくるもまさにオールスターキャスト状態。
もともとバッハは、まだそれほど有名ではなかったらしく、新任カントールの腕前をさぐりにきたライプチィヒ市民は、きっと安心して、帰ってからも今度のカントールはなかなかやるわいと盛り上がったんでしょうね。
ガーディナー先生のカンタータ・シリーズでは、これがVOL.1です。最初、なんで教会暦に沿ってクリスマスからスタートした連続演奏会の記録なのに、こんなところからスタートするのかなと思っていたのですが、カンタータ年巻に沿ってリリースしたということに、今(!!)気がつきました。