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2019年2月25日月曜日

僕の彼女はサイボーグ (2008)

2008年は、綾瀬はるかが一気に飛躍した年と言えるかもしれない。前年のドラマ「ホタルノヒカリ」で人気に火がついて、実質的には劇場用長編映画ではこの作品で初主演。さらに、三谷幸喜の「マジックアワー」に出演し、アクション物の「」ICHI」でも主演、さらに「ハッピーフライト」でも準主役で登場しました。

この映画は、「猟奇的な彼女」で知られる韓国の郭在容(クァク・ジェヨン)の監督・脚本による日本映画です。綾瀬はるかの、とても女性らしい豊かな表情と、無機質なロボット的演技が見事で、それだけでも見る価値があるんですが・・・

ジロー(小出恵介)は恋人がいない、自分の誕生日に自分でプレゼントを用意する孤独な青年。それの前に、突然見知らぬ不思議な女性(綾瀬はるか)が現れます。彼女は、ものすごい食欲をみせ、ジローをあちこちに連れまわし楽しそう。そして、ジローの住む家の前で、以前の彼に「歩く姿も見たくない。二度と目の前に現れるな」といわれたと説明します。そして、「私は未来から来たの。もう帰る。さようなら」と言っていなくなってしまいました。

1年後、去年の不思議な誕生日の1日の出来事が忘れられないジローの前に、再び彼女が現れました。しかし、今回の彼女は去年と違って、愛想がない。レストランで食事をしていると、銃を乱射する錯乱した男が現れますが、ジローは彼女に助けられ間一髪脱出できました。

ジローの家に戻った彼女は、目からホログラムを映写して事の成り行きを説明します。61年後の世界で、年老いて死期が迫っているジローが、自分に降りかかるいくつか危険から守るためにアンドロイドの彼女を未来から送り込んだというのです。

生活を共にするうちに、少しずつ「心」を持つようになった彼女に、ジローは惹かれていくのですが、ついにあまりに乱暴な行動の数々に業を煮やして、「歩く姿も見たくない。二度と目の前に現れるな」と言ってしまいました。

彼女がいなくなって、心の空虚さが増していくジローでしたが、突然、東京大地震が発生し、街は全壊状態になり、ジローの身にも命が危険が迫るのでした。しかし、その時・・・

この映画・・・そもそもタイトルがまずい。サイボーグというのは、一般には機械などの力によって能力を強化した有機生命体を指す言葉。完全に機械的なものはロボットであり、人間に似せて作られたものがアンドロイドだと理解しています。映画を見ればわかりますが、主として登場する「彼女」はアンドロイドです。細かいことを言うなと言われるかもしれませんが、どっちかによって恋をするのかしないのか、大きな問題ですからね。

それと、いろいろなシーンは、どう見ても「ターミネーター」のぱりくでしかない。あまりにわかりやすいので、興醒めするしかない。それを許したとしても、せっかく盛り上がったラストのスペクタクルが終わった後延々と続く、謎解きの部分が・・・せっかく登場人物に気持ちを肩入れしたというのに、どんどん萎えていくのを止められません。

冒頭のシーンのほとんどを丸々また見させられるのは、芸が無さ過ぎる。始まりはジローの視点のカメラで撮影で、最後は彼女の視点からの撮影にはなっていますが、おそらく同時に撮影していたものだと思います。

120分の映画ですが、ラストは見ている人は何となく想像できていたことだと思うので、ポイントを絞って最低限にとどめて100分以内にまとめてもらえれば良かったのかもしれないというところです。

そんなわけで、妙に白けた気分で終わるのは、張り切った綾瀬はるかの好演に水を差す感じで残念です。