2019年2月14日木曜日

第25回田園都市リウマチフォーラム


昨夜は、田園都市リウマチフォーラムの会合で、この会も25回目になります。

昨今は、製薬会社はユーザーである医師との癒着の疑いをもたれないように、どんどん自主規制を強化しています。それはそれで正しい事ではあるんですが、製薬会社がスポンサーになっている小さい研究会は、風前の灯火状態。

最近では、大きな学会ですら、運営方法を考え直す必要に迫られているような状態もあります。本来は、医師が主体になっている学会や研究会は、全ての運営を自分たちだけで行うのが筋ですが、現実には自分たちだけでは難しい。

田園都市リウマチフォーラムは、自分たちが「リウマチ診療の中で日々疑問に感じることを勉強したい」という主旨で始めました。幸いにも、現在のスポンサーとなっている製薬会社は、最大限理解していただけているので感謝しかありません。

今回は、リウマチ診療上、必要不可欠なメソトレキサート(MTX)に関連して発生することがあるリンパ腫の問題を取り上げました。MTXは21世紀になって使われ始め、しだいに使用量が増えてくるにしたがって、リンパ腫の発生頻度が増えています。

10年くらい前から、このことに気がつき警笛をならすようになった一人が、今回の講演会の講師をお願いした埼玉医科大学教授の得平先生です。先生は、「この数年は、このテーマで話したとき、聴衆側の医師たちの反応がよくなった」と実感していると言っていましたが、自分も含めて経験することが増えたということだと思います。

これらの問題はMTXの副作用の一つと考えられ、メソトレキサート関連リンパ増殖性疾患という概念でまとめられますが、実は今でもまとまった教科書記述を探すことは困難です。特に日本人に多いことが指摘されていて、私たちは断片的な情報から試行錯誤している状況です。

得平先生は、日本の中でもこのテーマに関して位置にを争うトップ・ノウレッジをお持ちで、この疾患の概念啓蒙に尽力されていて、今回もわかりやすく知識を整理していただけました。聞いた内容を、日常診療に生かせるようにがんばります。