2019年12月13日金曜日

グスタフ・マーラー作品目録

繰り返しになりますが、おおよその作曲年代順にマーラーの作曲リストを改めて確認しましょう。

参考にするのは、東京書籍から発刊された「ブルックナー/マーラー事典」です。東京書籍のこのシリーズは、とっくに廃刊で高額な古書でしか手に入りませんが、誠実で詳細、信頼性の高い解説は十分な対価が得られるもの。

実際、Amazonとかを探して見ると、意外とマーラー関係書籍は多くは無いので、全体を客観的に俯瞰できるこの本は貴重な存在です。

交響的前奏曲 (ブルックナー作?)
ピアノ四重奏曲 第1楽章のみ残存

3つの歌
 春に
 冬の歌
 草原の5月の踊り(「ハンスとグレーテ」へ改作)

嘆きの歌 カンタータ

若き日の歌 第1巻
 春の朝
 思い出
 ハンスとグレーテ
 セレナーデ
 ファンタジー

さすらう若人の歌
 愛しい人が嫁いでいくときには
 朝の野辺を歩けば
 燃えるような短剣をもって
 2つの青い目が

交響曲第1番 通称「巨人」
花の章(ブルミーネ) 第1番の初期構想で第2楽章としていたもの。最終的には削除。

若き日の歌 第2・3巻 「少年の魔法の角笛」によるピアノ伴奏歌曲
 いたずらな子供をしつけるために
 緑の森を楽しく歩いた
 終わった! 終わった!
 たくましい想像力
 シュトラスブルクの砦で
 夏の交代
 別離と忌避
 もう会えない
 うぬぼれ

少年の魔法の角笛 オーケストラ伴奏歌曲
 歩哨の夜の歌
 無駄な骨折り
 不幸な時の慰め
 この歌を作ったのは誰? 
 この世の生活
 魚に説教するパドヴァの聖アントニウス
 ラインの伝説
 塔の中で迫害されている者の歌
 美しいラッパが鳴り響くところ 
 高い知性を讃える
 レヴェルゲ(死せる鼓手)※
 少年鼓手※

交響曲第2番 通称「復活」
 第4楽章は「原光」
交響詩「葬礼」 第2番第1楽章の原型。

交響曲第3番
 第5楽章は「3人の天使は歌う」

交響曲第4番
 第4楽章は「天上の生活」

交響曲第5番

亡き子をしのぶ歌
 いま太陽は晴れやかに昇る
 いま私はにはよくわかる、 なぜそんな暗いまなざしで
 お前のお母さんが
 子供たちはちょっと出かけただけだとよく私は考える
 この嵐の中で

リュッケルトの詩による歌曲集 没後に※と共に「最近作の7つの歌曲」で発表。
 私の歌を覗き見しないで
 私はほのかな香りを吸い込んだ 
 私はこの世に忘れられ
 真夜中に
 美しさゆえに愛するのなら

交響曲第6番 通称「悲劇的」
交響曲第7番 通称「夜の歌」
交響曲第8番 通称「千人の交響曲」
交響曲「大地の歌」
交響曲第9番
交響曲第10番 第1楽章のみ

作曲はある期間継続的に行われ、後に改訂されたりしているので、正確に順序を付けることはできませんが、1870年代半ばに始まり、1911年に亡くなるまでの約35年間くらいに作られ演奏可能な譜面が残っているものは以上です。

バッハ、モーツァルトなどは、物凄い数の曲があるので、お気に入り以外は代表的な録音をどれか一つひとつで聴けばOKにするしかありません。

それに比べると、マーラーは本当に少ない。となると、一曲一曲に深入りしたくなるというのは、当然の成り行き。少しでも違った解釈の演奏を求めて、マニアが誕生しやすい土壌があるということです。

ここまで取り上げていないのは、あとはピアノ四重奏だけになりましたが、ごく初期の習作であり、未完成品であることを考えると、重要性はあまりありません。まぁ、ネットを探して一度見聞きできれば良しとしましょう。

自分の場合、アバドから始まったマーラーですから、ルツェルンのアバドの演奏がスタンダード。スタンダードというのは、必ずしも最高傑作とはならない場合もあるわけですが、アバドと比べて良し悪しの評価を自然としてしまうということ。

あらためて、より良い演奏を求めてマーラーを掘り下げてみたいですし、掘り下げるだけの価値がある音楽だと思いました。