2020年11月3日火曜日

007 / ロシアより愛をこめて (1963)

シリーズ第1作の「Dr.ノォ」は低予算ながら大ヒットとなり、翌年には早速第2作の登場となりました。ボンド役は引き続きショーン・コネリー、監督もテレンス・ヤングが再起用されました。

原題は「From Russia with Love」で、公開当初は「007危機一発(一髪ではない)」でしたが、後に直訳の邦題に改められました。この映画のおかげで「~から愛を込めて」と言う表現は、中学生でも知る英語の常套句になったと思います。

また、この映画で初めて、冒頭に敵の銃口からボンドが歩いてくるところを見るというお馴染みのシーンが加わりました。これは「ガンバレル(銃口)・シークエンス」と呼ばれるようになります。

イアン・フレミングの原作では、ここでも敵はソビエト連邦の秘密諜報機関スメルシュということになっていますが、映画ではソ連諜報機関に潜入していた犯罪組織スペクターが相手です。

何も知らないソ連の女性諜報部員を騙して、亡命するふりをしてボンドを痛めに合わせるという作戦。今回のボンド・ガールはこの女性部員で、1960年の準ミス・ユニバースのイタリア人のダニエラ・ビアンキで、当時21才。

今回は予算も倍増して、各地を巡るロケをふんだんに取り入れ、お金のかかった大がかりなアクション・シーンが増えた分、スピード感が増し良質なアクション映画として仕上がりました。

女性の踊る姿にキャスト・スタッフを投影するタイトル、肉体的な対決をする悪役の配置、ギミック満載のアタッシュ・ケースなどの小道具も登場し、シリーズ化の方向性を作り上げた傑作です。