2020年11月7日土曜日

007 / ゴールドフィンガー (1964)

007映画シリーズの中で、最高傑作に推す声が高い第3作目。

さぁ、今回はどんな冒険かと待ち構えていると、いきなり鴨の模型を頭に乗せてボンドが登場。カモフラージュというより、かえって目立つだろうと笑わせます。

しかし、その後は敵のアジトを爆破し、ウエットスーツを脱ぐとバリっとした白のタキシード。戻って女といちゃいちゃ始めると、暴漢に襲われ撃退。緊張感をゼロから一気に高めています。

この数分間のプレタイトル・シークエンスだけで、ジェームス・ボンドのエッセンスを見せ切ってしまう手法は完璧です。さらに最初に登場する美女はいきなり裸に金粉を塗られて死んでしまうというのもショッキング。

ただし、「皮膚呼吸できずに死亡」という説明はダメ。人間は皮膚呼吸してませんから。これは、ボンド映画が誤った認識を広めてしまった悪い見本。

今回の悪人は、ゴールドフィンガー。金に魅せられた悪人ですが、西側も東側も関係なく、塾的スペクターでもありません。権利関係の移動が関係した措置らしい。

アメリカの金を保管しているフォート・ノックス基地を襲撃しようという計画を知ったボンドが捕まったり逃げたりして、戦うアクションの連続でテンポの良い展開は素晴らしい。

フォート・ノックスは上空の飛行機が飛ぶところまでは許可が出たそうですが、中には一切入れません。映画ではスタジオの空き地に、外観そっくりの建物を作って撮影しています。

それだけでも見事なんですが、建物内の金塊が積み上げられた部屋は、制作人が想像して作ったものですが、これも素晴らしくて本物にかなりに近い再現性があったらしい(という噂)。

脇役としては「アー」とか「ウー」とかしか台詞がない用心棒オッドジョブが、随所でいい味を出しています。演じたのはハワイ出身のプロレスラー、ハロルド・サカタで、ボンドと直接対決する悪人としては一番キャラが立っているかもしれません。