2021年1月8日金曜日

M:I-4 ゴースト・プロトコル (2011)

トム・クルーズ主演、スパイ・アクション映画のシリーズ第4弾。ただし、正式タイトルにはシリーズ番号は入っていません。

監督は「Mr.インクレディブル」などを作ったブラック・バード。前作の監督をしたJ・J・エイブラムスは、クルーズと共に制作に回っています。

タイトルの「ゴースト・ブロトコル」は「幽霊としての取り決め」という意味で、国はもとよりCIA、IMFですら「何かあっても関与しない」という必ず付いてくる任務の付帯条件が、最大限発揮されるもの。つまり、IMFそのものを解体して組織として無かったことにするというもので、当然諜報員たちは幽霊扱いです。

暗号名コバルトと呼ばれている危険人物が、ロシアの核ミサイルの発射コードを手に入れる直前にIMF部員が奪取。しかし、女殺し屋ザビーヌによって直後に殺害されます。

残されたメンバー、ジェーン(ポーラ・パットン)と前作に続いて登場のベンジー(サイモン・ペッグ)は、IMFからの指示でモスクワの刑務所に収監されていたイーサン・ハントを脱獄させ、クレムリンに保管されているコバルトの情報を手に入れることになりました。

前作でジュリアと結婚したハントは、旅先でテロリストに妻を殺害されたため、ミッションではない私的な行動として犯人に復讐し殺人犯として逮捕されたのです。

ハントがクレムリンに潜入するとコバルトに先を越され、コバルトは核兵器発射制御装置を盗み出し、自分の情報記録も消去したのです。さらに、コバルトが仕掛けた爆弾によるクレムリン爆破犯人として、ハントはロシアから追われることになりました。

IMFのブラント分析官(ジェレミー・レナー)からハントが目撃したのは核戦争論者ヘンドリックスであると教えられますが、ロシアとの外交上、コースト・プロトコルが発動し、チームは完全に孤立無援状態に陥るのでした。

ドバイの世界最高の高さを誇るブルジュ・ハリファでヘンドリックスとザビーヌが接触することを知ったチームは、エレベータで上がってくる両者を違う階に誘導し、発射コードと制御装置の両方を手に入れようとしますが、ザビーヌに気づかれジェーンと格闘の末、ザビーヌは転落死。コードを手に入れたヘンドリックにはそのまま逃走されてしまう。

そもそもなんでザビーヌが高層ビルから転落したかと言うと、部屋のガラスをはずしていたから。エレベータの制御をするのにビルのサーバー室に忍び込むため、ハントがビルの外壁を登っていったわけで、この映画で一番話題になったクルーズ自身による極めつけのスタントです。

ヘンドリックスは、宇宙衛星を介して潜水艦に核ミサイルの発射を指示。ハントらは居場所を突きとめますが、間一髪間に合わずミサイルは発射されてしまうのでした!!

今までのよくあるパターンだと、ぎりぎり発射を阻止してめでたしめでたしなんですが、この話はその上を行くスリルでさらに見せ場を作ります。ただし、どう見てもハントよりも年寄りの設定っぽいヘンドリックスが、ハントと互角に戦える体力があるのはちょっとどうなのという感じ。

エピローグでは、お馴染みのルーサーとIMFの再開を祝し、ジェーン、ベンジー、ブラントに新しいミッションを伝えます。ブラントは実は、極秘でハントの護衛についていたにもかかわらずジュリアを殺されたことを告白しますが、ハントは実は殺されたことにしてジュリアにこれ以上危険が及ばないようにしたと教えます。そして、彼らから離れた店に入っていくジュリアが映し出されるでした。

シリーズとして馴染みが出てきた人物も登場して、続けて見ているファンにとっても楽しめる。ジュリアに関するエピソードは多少無理やり感がありますが、前回はIMF内勤だったベンジーが活躍する辺りはなかなか楽しいところ。

これまでが、IMF内部の裏切り者が関与する事件ばかり扱っていましたが、今回は完全に外部の悪人を敵に回してのストーリー。そういう意味でも、ストレートなスパイ物として今まで以上に緊張感がある出来になっているように思います。