シリーズ第4弾。戦いの舞台は再び現代。第1作から10年近くたちましたが、主役のケイト・ベッキンセイルの若々しさは変わらずで頼もしい。
第2作で、ヴァンパイア族とライカン族の戦いの後始末をして、長年にわたって人間族に気が付かれないようにしてきたアレクサンデル・コルヴィナスが死んでしまったため、ついに彼らの存在が明るみになってしまいました。
人間族は、ヴァンパイア族とライカン族の掃討作戦を展開。セリーンとマイケルもこの粛清から逃げ延びようとしますが、捕獲され研究材料としてアンディジェン社に冷凍保管されてしまいます。
ある時、突如解凍されて覚醒したセリーンは、視覚共有できるマイケルが逃がしてくれたものと思い、その視覚情報を頼りにマイケルを追跡しますが、ライカンに襲われている少女を発見するのです。
マイケルの視覚だと思っていたのは、実はこの少女イブのもので、彼女はセリーンとマイケルの間にできた混血種だったのです。そして、セリーンは、何と捕獲されてから12年間が経過していたことを知るのでした。
粛清からの生き残ったヴァンパイア族の一人デヴィッドの助けで、彼らの隠れ家に逃げましたが、そこにもライカンが襲撃してきます。しかも、通常の2倍くらい大きな個体となり強力な破壊力の前にイブを奪われてしまいました。
アンディジェン社は、何と生き残ったライカンの巣窟で、彼らは検査でライカンを陰性として粛清から除外して勢力を拡大していたのです。しかも、混血種として強力なイブの血液を使って、強化ワクチンを作り、かつ銀への免疫力さえも獲得しようとしていたのでした。セリーンはイブを助けるため、一人アンディジェン社に乗り込むのでした。
前作までの1000年にわたる因縁の物語は終結し、今作では世界観を形作る基本知識になってしまいました。現代社会で、医科学的な生き残りを展開するライカン族に対して、ヴァンパイア族は古き時代の因習にとらわれて弱体化している感じ。
さすがに長老3人が死んでしまうと、骨格となるストーリーが無くなってネタ切れ感は否めない。そこを救ってくれるのが、ケイト・ベッキンセイルのアクション・シーンと、巨大化した怪獣映画のようなライカンの登場というところでしょうか。
ヴァンパイア族とライカン族と人間族の三つ巴の争いと謳い文句にありますが、実際には人間族は粛清以降は安心してしまったのか、あまり活躍はしていません。もっとも、そこに深入りすると展開がぐちゃぐちゃになりそうですから、それはそれでよしとします。
アンディジェン社で、セリーンは何といまだに冷凍されたままのマイケルを発見します。しかし、セリーンは冷凍カプセルに一発の銃弾を撃ち込んで、イブを救うことを優先します。戻ってみるとカプセルは空になっていました・・・ということで、次作へつなぐつもりのネタを残して終わります。